ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2009年 3月2日 ヴァティカン宮殿庭園見学 A Visit to the Vatican Gardens

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週末には息子がお友達のところに行っている間に
夫とともにヴァティカン美術館のガイド付きのツアーに参加しました。
グループのメンバーは夫の仕事の同僚が多かったのですが
みな、ローマに住んでいながら、たとえば学校の遠足以来
ヴァティカンに足を踏み入れていない人たちばかり。
私自身も両親と多分8年前に行ったきりです。
美術館の前からサン・ピエトロ寺院に向かう道まで
ずらあああああああと並ぶ観光客の列に圧倒され、
ローマっ子の大半は美術館訪問をあきらめてしまうのです。

ガイドさんは同僚の知り合いのお母さん。
ヴァティカン市国のガイドさんになるための
神学関係の問題を含む、とっても難しい試験を若い時分突破したそうです。
市国専門のガイドになるためには少なくとも洗礼を受けてないといけません。
(イタリアでも有名なバンビン・ジェズ小児科病院に勤めるのにもやはり
洗礼を受けていないといけないようです。離婚している人、
教会で挙式していない人もだめだといううわさ・・・。)

左側には竹の生け垣、右側にはローレルの生け垣。
「ヴァディカーノ」という名の丘をどんどん上って行くと
法王に献上されたベルリンの壁の破片があります。
南に向かってさらに上っていくと、寺院のクーポラが見え始めます。
庭園にはフランス式、イギリス式、イタリア式のものがありますが
その発祥は中世期の薬草栽培用の庭園でした。
大きな鷲ののっかった洞窟型の噴水からは、パオロ5世により修復された
トライアヌス帝の水道を辿ってローマに流れ込む
ブラッチャーノ湖の水が噴き出しています。
(鷲はパオロ5世のボルゲーゼ家の紋章の一部)
噴水の前の庭園にはそこここに天使像の彫刻がおかれています。
それはジャニコロの丘に造られるはずだった
モニュメントのかけらなのだそうです。
法王領だったローマがイタリアの首都となって
そのモニュメントはガリバルティの騎馬像に変更になりました。
庭園には法王に献上されたさまざまな樹木があり、
日本の木蓮も満開でした。
松の木には野生のオウムたちが住んでいます。

こうしてイタリアの美の中を歩いていると
内側から瓦解しそうな
イタリアはこれからどうなるんだろうかという
問いなどをしばし忘れて、幸せな気分に浸れます。