ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

Entries from 2007-01-01 to 1 year

2007年12月20日 ブルーノ・ムナーリ生誕百記念「あの手この手」

ムナーリがいかに一般の人々に向けて発信をしていたかということを 象徴しているような小さなできごとだったと思うのだが、 もう十年以上も前のムナーリ晩年のこと、 相棒とともにムナーリを訪れようと思い、 コンタクトをとろうとしたのだが誰に聞いていい…

2007年11月30日 ムナーリとエイナウディ

あさってがムナーリ展のオープニングだ。 展示のお手伝いに参加できないが残念だ! 何とも素晴らしい展示だそうである。 駒形さん+(大好きな)段ボールという組み合わせが楽しみだ。 今回の調査は、イタリアの戦後が終了したと感じさせるものだった。 ムナ…

cycling in rome

If I were to found a political party I'd like to found the PEDESTRIAN AND CYCLIST PARTY, we'd march all through Rome with our bikes and walking sticks, demanding the right to WALK and BIKE in Rome. Drivers seem to think that pedestrians ar…

calvi di umbria

On All Saints' Day we were out in Calvi d'Umbria, at Mathias' brithday party. We were guests at Mathy's beautiful stone house right at the foot of the hill that makes up the tiny town. We climbed the hills surrounding the area and the chil…

2007年11月23日 秘密の言葉

ムナーリは日本ではある程度知名度があるのかもしれないけれど イタリアではデザイン、建築関係者、児童図書をよく知っている人でないと 名前は聞いたことがあるが、一体何をした人なのか分からない人のほうが多い。 (レオ・レオニ[レオ・リオンニ]を知ら…

2007年11月20日 まだまだムナーリ

ムナーリの『ムナーリのグループ展』という本の訳を今仕上げている。 (題名をどうしたらいいか、まだ悩んでいる。 あまり自分で決めてしまうよりは みんなに相談するのが一番だ・・・) これはムナーリの自己紹介的な小さな本で、 主要な作品群の簡単な説明…

2007年11月18日 「ベッタ」さん再浮上

「ベッタ」がまたもや工房の注目の家具となっている。 まだ鍵穴は彫っていないが全体の仕上げに入るに当たり、 またいろいろな意見が飛び交う。 アルコールで汚れをきれいにふきとったほうがいいと言う人もいれば、 このいい具合の汚れがいいんだみたいなこ…

2007年11月15日 考える

箪笥、「ベッタ」の足が移動中にはずれてしまったので 付け直す作業をしていたのだが、それが昨日完了した。 (みなさん、結構乱暴なので・・・でも、 それに耐えるような付け方をこちらもしないといけないですよね) 続いては鍵穴。新しく埋め込んだカエデ…

ode to rome

Roman skyline, frilly cake-like silhouettes baroque crashing down in whirls Roman pavement, bumpy bike-rides, some black puddles with yesterday’s paper Roman saleclerks grumbling behind you try hello, smile, no response Roman clergy much t…

2007年11月9日   紙技

ちょっと思い出したので書いておきたいと思った。 駒形さんのワークショップのお手伝いをしている時に 駒形さんが9色を紙をベンチに並べていく。 30枚ぐらいある紙を彼は指でしっかり抑えながら きゅっきゅっと、ずらしていく。 そうすると紙がとり易くな…

2007年10月29日その2 アリ

ムナーリの『感動』という本のまとめを書いてみた。 今、目の前に本があるが、 ページがちょっと開いていて、蛍光ピンクとイエローの影が 白いページにうつっていてとてもきれい。 ああ、こんな本も作れるんだなあ、とちょっと感動している。 『考えると分か…

2007年10月29日   ミラノの雨

ミラノのムナーリ展のオープニングになんとか行くことができた。 24日夜は雨だったが、会場のロトンダはきれいに ライトアップされ、ものすごい人出で、 ムナーリの生誕100年にふさわしいオープニングとなった。 (ズガルビにぶつかりそうになった・・…

2007年10月23日 いつのまにか・・・

ああ、もう二週間たったのか。 朝10時頃コンピュ-タの前に座る。 メールでの契約の調整やら作品リストの確認などを すすめつつ、ムナーリの本の短い説明文を作成する。 工房では忘れられた存在か。 きっとベッタさんが後ろのほうに追いやられているだろう…

2007年10月10日 うんこ鳥の帰還

本日のローマは雨。 気温がまだ高く、朝は軽いジャケットでの外出だ。 それでもプラタナスの大きな茶色い葉っぱがはらはらと落ちる。 私たちが「うんこ鳥」と呼んでいるうるさい鳥たちが 大群をなして戻って来た。 糞がいつもより臭いのは数が昨年よりも多い…

2007年9月18日 新学期!

早いもので息子は小学3年生。 先生も子供たちもよく日に焼け、元気そうである。 クラスからは一人減って19人となった。 両親が離婚してしまい、お母さんといっしょに住むことになった二コール。 お別れ会もせずに、ひっそりと去っていった。 こちらはまだ…

2007年9月6日 アルト・アーディジェ

イタリアに帰ってからすぐに南チロル地方に行くべく、ヴェローナに移動。 そこで夫の妹夫婦と合流し、毎年行くオーストリア国境近くのプステリア渓谷に向かう。 一週間の間に37度Cから12、3度C前後の涼しい環境に移動。 ヴェローナに行く途中にMUNARI展…

Notes from Japan (2)

Our stay this time included a big trip around Japan: Naoshima, Dogo Springs in Matsuyama, Onomichi, Himeji and Kyoto. We were able to experience Japan in its many different situations, thanks also to our Italian friends and their daughter …

Notes from Japan (1)

I will always have mixed feelings about this country. Human relationships seem to be so complicated here but once you know that the bond has been created it’s everlasting and that you don’t get anywhere else! The other day Komagata-san (Ku…

2007年7月10日 工房での一日

A Day at the Laboratory July 10th 2007 At our “laboratorio” which is also a school, the presence of children is tollerated during June and July. My son is quite used to spending the whole day there, slipping in and out of the different roo…

藁のモザイク

This is a small box decorated with straw mosaic. My instructors, Pam and Gio bought it some years ago at the Parma Antique Fair, and I was asked to restore it in my free time. The lid is original, while the container part is not, although …

Luigi Filippo様式のセクレテール

This Luigi Filippo style secr?taire came back from the auction some days ago. (They didn't seem very trustworthy anyway...) This was bought at the Arezzo Antique Fair three years ago, and was restored by Ferna' and me. This compact and ele…

2007年7月1日 ベッタ修復中間報告他

ベッタがだんだん美しくなってきた。 後ろ足を新しく付け直し、今週やっと逆さになっていたのを 元に戻してやった。 右側の後ろ足は、芯を残してコの字型の新しい木をはめこむ形で直してみた。 クルミの木がなかったのでもみの木を代用し、その上にコの字型…

2007年6月25日 ザリガニ

先週末は息子の幼稚園のときの親友、ミキスの両親に招かれて ミキスのおじいちゃんたちのリエーティの家にお邪魔した。 リエーティはサラリア街道を北上したところの、 ラツィオ州北端の丘陵地帯にある街だ。 彼らの所有する家は17世紀前半に遡る古い塔の…

2007年6月18日 カルトッチ兄弟

Prati地区には公共放送RAIがあるため、 制作会社や編集スタジオが大変多く、 (息子がいつものぞくところがあって、 編集をしているお兄ちゃんたちにいつも話かけている) そのせいか地区内のアパートやお店、学校がロケ地に選ばれることが多い。 一つの道全…

2007年6月17日 サマー・キャンプ

息子は昨年、学校が夏休みに入るとすぐに 旧オリンピック会場にある国立体育大学のサマー・キャンプに通い始めた。 息子の小学校は昨年、大学の研究に協力し、 その続きとして学校が終了してから1ヶ月間、 60人あまりの児童を対象にスポーツ導入に関する…

2007年6月15日 修復プロジェクト発表

昨日、 オラトリオでの修復に関する報告会議が 行われた。 まずは工房長がプロジェクトの概要を説明し、それに続いて オラトリオでの研究と修復をライフワークにしている建築家、 アンナがオラトリオの歴史を語ってくれた。 そのあと、主力の3人による修復…

2007年6月7日 話す、書く、描く

本日コンファレンスが行われ、ローマ大学の工学部の先生が エトルリア時代の陶器の本物を見分けるためにどのような技術が 使われているか説明し、ミラノの科学博物館の研究者が 特に象牙と木を素材にし美術品の制作年代の スペクトロスコープによる分析につ…

2007年6月5日 贋作

工房で「贋作」をテーマにした展示がはじまった。 明日から2日間にわたって、偽物かどうか見分けるための 分析方法などに関するコンファレンスが行われる。 私に与えられた課題は「ヨーロッパ美術における『偽物』の歴史」 というテーマで小論文を書くという…

2007年6月2日 un po' in ritardo ma.... 2年生になりました!

きょう、息子は友人のレオちゃんとともに2年生に進級。 2年生の教科書とワークブックが日本から届き、 さっそく「ふきのとう」を読んでみた。 (表紙をてがけた作家さんを息子も直接知っているし、 『スイミー』のレオ・レオニにも出会うことができたので 2…

2007年6月1日 「ミラノのテーブル」

2006年末に仕上げた「ミラノのテーブル」が ヴァティカンの近くにあるオークションで売れたとい報告が今日あった。 このテーブルは真っ黒に塗られていてぼろぼろだった。 リッカルドの知り合いのおばあさんの物置にあったものだ。 ペンキをはがしてみる…