ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

Entries from 2011-01-01 to 1 year

イタリアの小都市巡り 「プレゼピオ」人形制作者、テアーノのイヴァーナさんの工房にて

本日12月8日は無原罪のお宿りの日、イタリアではお休みです。みんな、家でクリスマスツリーやイエス降誕の場面を描いた「プレゼピオ」をクローゼットから取り出して飾ります。こちらはナポリの伝統的な「プレゼピオ」の登場人物、「パストーリ」を制作す…

イタリア小都市巡り テアーノのロンカ家にて

ロビーのお母さん、アンナ暖炉の火が暖かいほかほかキッチンソーセージとこの土地のモッツァレッラ入りのラザーニャをめしあがれ! 大変ご無沙汰しております。 みなさまお元気でいらっしゃいますでしょうか。 先週の土曜日は、夫の参加する展覧会の搬入を…

イタリアの小都市巡り ヴィテルボの秋

ヴィテルボのサン・ペッレグリーノ地区 http://www.francigenalazio.it/it/resource/poi/viterbo-quartiere-san-pellegrino/ 中世の城壁に囲まれた塔の街、ヴィテルボ。 13世紀には法王がローマを離れ、ヴィテルボを本拠地としていました。 街の中世期の地…

移民をテーマにした最新イタリア映画 Io sono Li/ Terraferma

IO SONO LI 『私はリー』 監督:アンドレア・セグレ 上映時間: 100分 制作年度: イタリア、フランス 2011年制作 2011年第68回ヴェネツィア映画祭参加作品 http://www.youtube.com/watch?v=fB6aNVyLqx8 ローマから霧に包まれたポー川河口付近の海辺…

イタリアの小都市巡り サン・マルティーノ・アル・チミーノ 女傑ドンナ・オリンピアの夢 San Martino in Cimino

ローマの郊外にあるラツィオ州の小都市は トスカーナやウンブリアの街と違って どことなく荒れ果てた感じのする街が多いのですが、 それは都市計画とか景観に対する配慮があまりなされないまま 70年代にぼこぼこと建設されたあまり美しくないアパート群ら…

イタリア小都市巡り ラヴェンナ、モザイクのきらきら Splendori dorati ravennati

アットランダムにアップロードしてみたラヴェンナ、モザイクの写真です。 昔、ガラスはラヴェンナでも製造されていたそうです。 東ローマ帝国がラヴェンナ周辺の地域に攻め込み、しばらく支配していた時期があります。 ビザンチン様式はラヴェンナを経由して…

ヴィテルボの守護聖女、サンタ・ローザの神輿 Processione di Santa Rosa a Viterbo 2011

ローマから北へ70キロ行ったところの エトルリア人の街、ヴィテルボ出身の人にとって、 サンタ・ローザのお祭りはとっても大事なイベントです。 毎年9月3日に行われるこの盛大な宗教行列の御神輿は 何と30メートルの高さ、5トンの重さ。 100人のヴ…

Laboratorio tattile di Katsumi Komagata con i ragazzi del Pratello, marzo 2011

Dopo terminata la Fiera del Libro per Ragazzi di Bologna siamo tornati al carcere minorile di via Pratello per fare l'assistenza al laboratorio anuale dell'artista giapponese, Katsumi Komagata. Komagata-san e' spesso riferito come il "Brun…

ヴェネツィア・ビエンナーレ イタリア館 2011 La Biennale a Venezia 2011

記憶の回廊・・・。 ヴェネツィア・ビエナーレは各国のパヴィリオンの並ぶ (有料の)二つの会場の他に ヴェネツィアの街の中のそこここにちりばめられた、 歴史的な建物の広間や部屋などを利用した その他の国々の(無料の)展示会場があり、 色々な見学の…

南チロルの夏再び

今年は南チロル地方でもとても暑くて 7月にたくさん雨が降ったにもかかわらず、ポルチーニはあまり見つかりませんでした。 湿り気のある場所にのみ、見つかりましたが、 全体的に森の地面が乾いている感じでした。 チロルでの滞在の最終日に雨が降り、 もし…

ジョヴァノッティの『ビッグバング』

短い日本滞在、ヴェローナ、ヴェネツィアを経て 憩いの南チロルで徹底的に休み、 ようやく下界へ下りて来ました。 大変ご無沙汰してしまいました。 ローマへ南下していく車の中でラジオをずっと聞いていましたが トレント地方に入ったとたんにオーストリアの…

19世紀半ば インペリアル、カルロ10世様式のテーブル修復

とても大きいテーブルです。 磨くのに、腕の開くぎりぎりの直径。 とくに表面のラッカーが古くなり、白くなってしまっています。 古いラッカーは植物性のオイルと石油を混ぜて熱したものを使って全部とりました。 古いラッカーをとると同時に乾いてしまった…

イタリアの小都市巡り 憧れのオレーヴァノ・ロマーノ Una gita a Olevano Romano

たびたび研究や調査をしている中で登場していた ローマから南西へ、約60キロほど行ったところにある丘の上の街、 オレーヴァノ・ロマーノ。 一体どんなところなのだろう、と思い描いていた街。 夫が珍しく、郊外にドライヴをしよう!と提案したので じゃあ…

イタリア人と政治

昨日5月29日月曜日は盛りだくさんの一日でした。 交通ストがあり、仕事に行けなかったのは困りものでしたが、 自宅で翻訳の作業を進めたり、 やっとこさできあがった今年のボローニャ児童図書ブックフェア ドキュメンタリーの映像を日本の制作会社に発送…

ボローニャ市長選結果(2011年5月17日のテータより) 5月15/16日2011年

有権者数 301.834人 投票者数 215.534 (71,40 %) 市長 ヴィルジーニオ・メーロラ 合計 106.070票(50.46%)総議席数 22 PARTITO DEMOCRATICO 72、335 票 38,27% 議席数 17 LISTA CIVICA - CON AMELIA PER BOLOGNA CON VENDOLA 10.24% 議席数 4 DI …

ヨハネ・パウロ2世福者化記念日、メイデイのローマより Woytyla's Day, May Day in Rome

ヘリコプターのぶんぶん飛ぶ音で起こされた本日の朝。 (午後2時を回っていますが、お昼休みが終わったと見えて、またまた ヘリコプターの音がうるさいです。) パーパ・ウォイティラ(ウォイティラ教皇)と呼ばれていた ヨハネ・パウロ2世(本名はKarol J…

イタリアの小都市巡り カルヴィ・デルンブリアより,ハッピーイースター Un salto a Calvi dell'Umbria

イースター休みは友人たちのいるカルヴィまでちょっと足をのばした。 このもやしのような植物は麦の芽。 キリストの復活を表します。 ラツィオ州との州境にある、ウンブリア州の街、カルヴィの教会にて。 カルヴィの古い街の城壁を彩どる見事な藤。 カルヴィ…

「テヴェレ川の詩」 有島生馬『蝙蝠の如く』 Poesie sul Tevere: "Come un pipistrello" di Ikuma Arishima

4月21日午前中、ローマの創立2764周年記念の日に テヴェレ川の中州、ティベリーナ島前の川岸にて 『テヴェレ川の詩』という、テヴェレ川にまつわる詩や 文学作品のパネルのシリーズ大4弾設置の記念セレモニーが開催された。 今回は11人の作家の作品の…

ボローニャ少年院 駒形克己氏タクタイル・ワークショップ

ボローニャブックフェア後、再び少年院を訪れ、 アシスタント兼通訳として駒形克己さんのワークショップのお手伝いをした。 今回の少年たちは4人、チュニジア、モロッコ出身のモデナの少年、 そしてガオ君という中国人の少年。 少年院新館のほうの工事がよ…

記憶と音楽 ローマ音楽科中学、ローマ大学大講堂にてイタリア解放記念合同コンサート Memoria in Musica

4月25日はイタリアの、ファシズム、ナチズムからの解放記念日。 息子の中学は他の音楽科のある公立の中学校とともに、 ローマ大学「ラ・サピエンツァ」の大講堂にて、合同コンサートを行った。 パルチザンの歌や、デ・アンドレの、レジスタンス運動を語っ…

ボローニャ児童図書ブックフェア2011年 その3 本と未来

こちらは歌手のルチオ・ダッラの住むカヴール広場の庭園での展覧会。 ボローニャの美術学校の学生たちと先生たちによるインスタレーションです。 ペットボトルによる花々。 おそらく曲芸師によるショーも行われ、 そのあと花は観客に配られたのでしょう。 夕…

ボローニャ児童図書ブックフェア2011年 二人展 Distant Friends

ボローニャブックフェア会期中に開かれる展覧会のうち、 若いイラストレータたちに一番人気のある展覧会のオープニングは 毎年ハーメリン文化協会本部で開かれる個展だ。 最近ではOrecchio Acerbo, Topipittori, OQO などで 出版している若手作家が中心だ。 …

ボローニャ児童図書ブックフェア2011年 ささやかな報告1 I BELIEVE IN BOOK POWER

今年は目が覚まされたような、なつかしいボローニャを目指してのあわただしい出発。 3月末の土曜日のボローニャ。 中世期から建つボローニャ商工会議所の建物のバルコニーには イタリア統一150周年記念の長い国旗がまだ飾られていた。 相棒たちとさっそ…

魂を揺さぶる声 平山美智

2011年3月10日、つまり震災の前夜、ということになる。 イタリア前衛音楽の作曲家、 ジャチント・シェルシGiacinto Scelsi(1905/1988)の声楽曲の ミューズであったMichiko Hirayamaのコンファレンスを、 貴族の血筋を引くシェルシの自宅を…

哀しい春。

11日朝、コロッセオの前に至った時に姑から電話があり、 日本に大きな地震があったという知らせを受ける。 東京の実家に電話をしてみたら、ぜんぜんつながらない。 何も情報のないなか、ローマで日本の会社に勤める友人に電話をしてみると、 東北地方仙台…

オラトリオ会ヴァッリチェッリアーナ図書館のアームチェア、6脚修復完成 Poltrone vallicelliane rinate

このように、6脚全部並べてみると、壮観です! 残りの6脚が明日、運ばれて来ます。 こちらのものは図書館に戻ります。 修復の方向はコンサーヴァティヴ。 欠けている部分で再現されたものは、修復が見えるようにしていあります。 映像をずっと撮り続けてい…

フランス製小型アンティック家具 Mobili antichi francesi di misura contenuta

トラック2台にアンティック家具をいっぱいつんで フランスとスペインから戻って来たシモーネとジョルジョ。 トラックから「おろしたて」の家具を、私たちも掘り出し物なないものかと 見に行った。 ジョルジョはなかなか趣味がよく、特にちょっとアンティッ…

イエラ・マリのエンドレス絵本 Le storie infinite di Iela Mari

日本でもほるぷ出版から絵本が出てるイエラ・マリの原画展「虫めがねで見た世界」、 ボローニャに続きローマでもボルゲーゼ公園内の児童館にて、1月30日までやっていました。 この展覧会はボローニャをベースに、イラストレーション、漫画らに関する 展覧…

オラトリオ会、ヴァッリチェッリアーナ図書館、アームチェアの修復

オラトリオ会のヴァッリチェッリアーナ図書館にある12脚のアームチェア、 立派な後期ルネッサンス様式です。 昔通っていた修復学校の研修の一環として他10人の女性とともに修復する事になりました。 何年か前に、オラトリオ会の食堂の、ボロミーニの設計…

ソレント製寄せ木、再び・・・

http://blogs.yahoo.co.jp/iammee1999/folder/136160.html?m=lc&p=8 にあるように、このブログをはじめました3、4年ほど前に修復した ソレント製のライティングセット、 こちらのものは19世紀中頃、グランドヴィルのすばらしい寄木細工入りの エレガント…