ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

Entries from 2009-01-01 to 1 year

2009年 12月 ローマ散歩 A Beautiful Cr??che

本日は午後雨ということで午前中にローマの街を散歩しました。 車が少なくて街が思うように歩けるのでうれしい、クリスマス休暇中のローマ。 今までその存在に気がつかなかった素敵な広場、教会、建物などを発見する楽しみがあります。 テヴェレ川はだいぶ水…

2009年 アンジェリカ・カウフマン画の銅版画修復完成

和紙で穴の開いたところを埋め、紙の端の部分で 破損したところを継ぎ足す作業をしたのち、 しばらくプレスにかけておいた。 プレスにかけたおかげで版画の部分にかかっていた醜いしわも きれいにのばすことができた。 そして一番のクライマックス、銅版の絵…

2009年 12月 クリスマスおめでとう God Bless Us, Every One!

本当は12月8日、無原罪のお宿りの日に立てるはずのツリーを 今年は息子の怠慢により(毎年こういう感じになっていくんでしょうね) 一週間遅れで立てることになりました。 息子が自分で飾れるように低めのツリーを買ったですが、 もうかなりツリーよりも…

2009年 12月 ロッシーニのローマの風景 Rossini's Roman Landscapes

日本でも浮世絵が発達したように、ヨーロッパでも同時代 銅版画によるアート作品の広い層における普及があった。 銅版画家ピラネージの活躍によって、ローマの風景画、古代ローマの遺跡画などが ジャンルとして確立するのだが、 19世紀にはロッシーニとい…

2009年 12月 ローマの野辺の送り Saying Good-Bye

元学生で息子のベビーシッターをずっとしてもらっているリーのお父さんが 亡くなってしまった。 心臓のバイパス手術は成功してお元気だったのに・・・ かつて教えていた大学の研究室に、ある日突然現れたリー。 とても寡黙な学生だったのだが、とにかく毎週…

2009年 12月 冬の海 Winter on the Roman Beach

12月に入っても、まだ海辺の楽しめるローマ。 11月末には、もともとは大統領の所有領であるカステル・ポルツィアーノの ビーチであった通称「イ・カンチェッリ」(The Gates, 門)にて子どもたちと遊んだ。 2キロにわたるこの海岸地帯はまだ自然のまま…

2009年 12月 ナポレオン様式の「舟形ベッド」Il letto a barca e' pure imbarcato....

あっという間に12月、依頼されたドキュメンタリも滞り、 いろいろとものごとがすすまないうちにもうクリスマスの準備に入るローマの街。 先日は工房仲間の娘さんの通う学校の先生の家に車で豪雨にめげずに寄り、 第一次大戦中に武器入れとして使われたらし…

2009年 11月末 ローマを臨む Swallowed by Rome

先週はPalaexpoでの天体物理学の特別展をガイド付きで鑑賞。 http://www.palazzoesposizioni.it/Mediacenter/FE/CategoriaMedia.aspx?idc=18 いつもはche noia!(つまんねえ)と展覧会につれていくと連発する息子は 若い女性のガイドさん(多分まだ大学生)…

2009年  11月 Wedding Present!

先日ゴールインした友人みこったの住まいは 魔法がかかったような美しい紅葉の見られる、ヴェネト州山岳地帯のフネス。 長い間、心の中で想像していたりしたのだが、 何ともため息の出てしまうような風光明媚な場所だ。 キエスの村に着いた次の日の朝も霧が…

2009年 10月/11月 ラジオの扉再現その後 Fada Radio 361

例のおじいさんの50年代のレコードプレイヤー付きラジオの扉再現作業も完了。 裏側の化粧板もなかなかきれいに貼付けることができた。 残念ながら扉本体の木が合板なので膠で化粧板を貼付ける時に 合板の表面に歪みが出てしまったので表面が真っ平らでない…

2009年 10月/11月 ネオ・ルネッサンス様式のテーブルの修復 Restoration of a Neo-Renaissance Style Table

修復の出前に通っているおじいさんに依頼された ネオ・ルネッサンス式のテーブルと椅子のセットの修復が先日完了した。 こちらは壁に作り付けてあるクローゼットの扉のリフォームの仕事と同時に 進めていたものだ。 (クローゼットの仕事は別のクライエント…

2009年 10月31日 柿のおいしい秋のローマ

本日午前中に息子といっしょに近くの市場へ行き、 ショッピングカートがぱんぱんになるほどたくさんの食材を仕入れた。 お魚はイカ、アンチョビ、メルルーサ。 (カジキマグロの槍は捨てるのですか、と息子が聞いたら 「ほれやるよ」と長い槍を前にくれた魚…

2009年 10月 アンジェリカ・カウフマン版画の修復その2 Restoring Engravings after Angelica Kauffman 2

水洗いをしたのち、次亜塩素酸ソーダ液を使った水洗いが続く。 紙は随分白くなったのだが、黄ばみを残すようにした。 水洗いが完了したのち、版画の部分以外の部分にのり付けをした。 版画4枚の洗浄に本日は3時間以上かかった。

2009年 10月 アンジェリカ・カウフマン銅版画修復 Restoring Engravings after Angelica Kauffman

18世紀後半に活躍した(美人)女性画家、 スイス生まれのアンジェリカ・カウフマン(1741 –1807)。 画家だった父親の手ほどきを受け、12歳ですでに父親を超える画家に成長した。 音楽にも丈ていたらしく、一時音楽家になろうか、 絵の道を進もうか、非常…

2009年 偉大なるロベルト・インノチェンティ Il grande Roberto Innocenti

*写真は『白ばらはどこに』より。 白ばらの赤いリボンとナチの赤い腕章との間のコントラストが 恐ろしいです。 白ばらはその殉教の朝にはりぼんをしていません。 真っ白な服をまとっています。 *ロベルトのイラストレーションで面白いなと思うのは 「視点」…

2009年 8月 ザルツブルグ!

*上の3枚はお城。どこから見てもきれいです。 城壁は何世紀にもわたり、どんどん付け足されていきました。 オスマントルコ帝国の侵入に対応するために作られた部分もあります。 *お城の美術館に展示されている衣装箱。友人のお母さんの家には これと同じ…

2009年 8月 今年のポルチーニ狩り

地球温暖化のせいか今年もポルチーニがなかなか見つからず。 しかしどういうわけか、義妹のサビーの通るところには必ずあり。 5日目ぐらいには一人で頭に来てしまった。ぐるる。 結局私の収穫は10センチくらいのが二つだけ。 自分だけのとっておきの秘密…

2009年 9月 Ars Electronica in Linz

今年は南チロルで過ごす山でのヴァカンスを少し延長して ザルツブルグとリンツのエレクトロニック・アートのフェスティヴァル、 Ars Electronicaを観に行った。 期待通り、すばらしい展示であった。 電子アート作品は長期の展示だと途中で壊れたりして、 と…

2009年 7月2日 ヴェーロリの工芸職人展 Le Botteghe di Santa Croce a Veroli

photos: 1) the church you see on top is Santa Salome: one of the three churches in Italy that boasts of its Santa Scala 2) ups and downs 3) the chair-mender 4) the furniture restorer 5) our comode looks real good... 6) bottle-holders weave…

2009年 7月1日 ラジオの扉再現 Fada Radio 361

先月は我々が「ナンバーワン」と名付けたおじいさんの家で 家具修復の「出前」をしていたのだが、 それに加えて、このおじいさんのお母さんが50年代に購入した ラジオの入った家具の扉を再現することになった。 (アラン・フォードの漫画のシリーズの主人…

2009年 6月 夏のキャンプ

4年生もいよいよ終了! クラスの劇は分校の幼稚園の劇場で行われた。 内容はテレビの中に吸い込まれて大変な目に遭う子どもたちの冒険。 先生達へのプレゼントはことしはシュワロフスキーのクリスタルのイアリング。 ブーケはばらとガーベラ。 今年も父兄代…

June 2009: ‘’Japanese Futurist Music and Poetry’’ in Rome

‘’Japanese Futurist Music and Poetry’’ June 9th, 2009 Japan Cultural Institute, Rome Festival Mediterranea It was not easy getting together all the pieces written by these young Japanese composers active during the 1920s and 1930s in Tokyo…

2009年 6月「こんにちは、セバスティーノと申します」 Interactive Saint Sebastian

*photos: The Sebastian Trio: Engineering:Marco, Sebastian:Pierluigi, Artist: Alfonso and Dan perched upon an olive tree, see the flowers? 6月は大忙しでした。 マルケ州マチェラータ郊外の、元修道院だったヴィラにて、 STartUPという、ヨーロッパ…

2009年 6月 日本の未来派詩と音楽の夕べ Serata di musica e poesia futurista giapponese

ひょんなことからオーガナイズする事になった (実は登校下校時の、お父さんお母さん同士の交流の中から・・・) 「日本の未来派音楽と詩の夕べ」、と題するコンサート、 本当にたくさんの方々の協力を得て9日に実現できました。 みなさんに心からお礼申し…

2009年 5月1日 初聖餐式 La prima comunione

5月1日、メイデイ。 今年は息子のクラスの級友、リッリの初聖餐式に招かれ、 幸せな一日をいっしょに過ごしました。 クラスの子どもたちのうち、8人が今年初聖餐式を 受けることになっているのですが (一昔前までは全員が受けていたのですが最近はそうで…

2009年 4月27日 薔薇のローマ Roses in Rome

我が家のコンドミニアムの庭の薔薇が咲き始めました。 小さなピンク色の薔薇で、長い枝が柵をはみだしているのでときどき 通りがかりのおばあさんが、少し手折って持っていくのが見られます。 息子の小学校で本のお祭りが開催され、 その時にも薔薇が主役で…

2009年 4月20日 大工さんの作業台 Banco da falegname

新しい工房近くの空き地で建設工事が始まったかと思いきや、 すぐに作業が中断された。 変だなあと思って赤いプラスチックの柵に近寄ってみると、 工事の看板が、「考古学的発掘作業」の看板にすりかわっているではないか! 頭を突っ込んでのぞいてみると、 …

2008年 4月19日 ラディスポリのカルチョーフォ祭 La sagra dei carciofi a Ladispoli

今週末は海辺の街、ラディスポリの有名なカルチョーフォ祭に行って来ました。 街の周辺には確かにカルチョーフォの畑がたくさん見られます。 カルチョーフォは紫色の花が咲くと、アザミにそっくりなのですが、 花は写真で見た事しかありません。 日本語で「…

2009年 4月 未来派と子どもたち Futuristic Children's Corner?

photos: 1)Freak Ando' Gallery in Bologna: tons of toys! 2)The Freccia Rossa, from Bologna to Milan in only 65 minutes 3)The Duomo in Milan, never have seen it so white 4)Entrance to the Futurist exhibition at Palazzo Reale 5)Who will wear …

2008年 4月 今年のボローニャ Back to Bologna

Photos: 4 photos from the workshops at the Sala Borsa Children's Library in Bologna The Fair: ボローニャの児童図書のブックフェアは今年も不景気にかかわらず、 昨年よりもヴィジターが多く、 またフェア面積も結局昨年よりも少し減少した程度だった…