ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2008年 7月7日 アレッツォの箪笥

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  *修復前の状態。
   オリジナルの大理石の台も飾り柱のところが
   ミッキーマウスの耳の形になっています。
  *長い締め金をつけて全体を補正。
  *後ろ脚が折れてしまったようです。大理石重いですから。
   でも折れたところがあまり古くなっていないので
   無理に動かした時に折れたのかも。

いよいよです。
アレッツォで新しくできた仲間とともに
1)ナポレオン様式後期の箪笥(トスカーナ産、恐らく19世紀半ば以降) 2)食器棚 3)ナポレオン様式全盛期のベッド
の3点を購入したのですが、
私はマウリとともに1)を担当。
足がはずれているので今はかっこわるいですが
両側から長ーい締め金でぎゅっと構造全体を正してあげたら
だいぶ形がきれいになりました。
ぱかっと割れて外側にちょっとはり出していた側板も
木の収縮してしまった部分に
薄い木を膠とともに差し込み、4つの締め金で一晩とめておいたら
平になりました。
引き出しの側板がレールに当たる部分が破損しているので
レールも含めての修復がこれから大変。
後ろ脚は失われているのでそれもこれから復元します。

構造はモミとクリ、引き出しのそこ板などはポプラ。
化粧板はクルミ。
引き出しは精巧に作られている。それに木の種類を合わせると、
トスカーナ産ではないかという結論に至る。