#工芸
1952年生まれ、ボローニャ出身のマウロ・フェリコーリは、2015年に当時の文化財省長官のダリオ・フランチェスキーニの改革によるイタリアの主要な文化施設の館長の公募試験に受かり、今年の10月31日までナポリ近郊のカゼルタ宮殿(レッジョ)の…
こんにちは! 久しぶりにこのプログに戻ってまいりました。 物事をじっくり考えることを再開したいと願って書いています。 東京都世田谷区成城のみつ池の森は神秘的な、 異界につながる禁断の空間です。 弟は仲間とその森の中に探検をしに勝手に入ってしまい…
昨夜観に行ったイタリア人俳優、ヘルリツカの一芝居に出てきた 女優さんの、顔全体にかかる豪華なカーリーヘアを見て思い出したのが 高校のときの友人とともに「ラーメンヘアのルクレツィア」と 呼んでいたこのフローラ(花の女神)の肖像。 長い間法王アレ…
昨日、友人の骨董屋さんといっしょに 有名なトロンボーン奏者のおじいさんが 1880年に日本に行ったときに買って帰って来た 大扇子を見に行きました。 扇面は切れてしまっていますが、 長い間、おじいさんとおばあさんのベッドの後ろに開いたまま 飾って…
とても大きいテーブルです。 磨くのに、腕の開くぎりぎりの直径。 とくに表面のラッカーが古くなり、白くなってしまっています。 古いラッカーは植物性のオイルと石油を混ぜて熱したものを使って全部とりました。 古いラッカーをとると同時に乾いてしまった…
このように、6脚全部並べてみると、壮観です! 残りの6脚が明日、運ばれて来ます。 こちらのものは図書館に戻ります。 修復の方向はコンサーヴァティヴ。 欠けている部分で再現されたものは、修復が見えるようにしていあります。 映像をずっと撮り続けてい…
トラック2台にアンティック家具をいっぱいつんで フランスとスペインから戻って来たシモーネとジョルジョ。 トラックから「おろしたて」の家具を、私たちも掘り出し物なないものかと 見に行った。 ジョルジョはなかなか趣味がよく、特にちょっとアンティッ…
オラトリオ会のヴァッリチェッリアーナ図書館にある12脚のアームチェア、 立派な後期ルネッサンス様式です。 昔通っていた修復学校の研修の一環として他10人の女性とともに修復する事になりました。 何年か前に、オラトリオ会の食堂の、ボロミーニの設計…
http://blogs.yahoo.co.jp/iammee1999/folder/136160.html?m=lc&p=8 にあるように、このブログをはじめました3、4年ほど前に修復した ソレント製のライティングセット、 こちらのものは19世紀中頃、グランドヴィルのすばらしい寄木細工入りの エレガント…
やっと修復が終わりました、総クルミ材の立派なリクライニング・アームチェア!! 19世紀後半、北イタリア産、スタイルはバロックを彷彿とさせるルイージ・フィリッポ式。 椅子を倒すしかけは鉄と木でできています。 もちろん修復中は全部分解しました。 …
友人の家に伝わる17世紀の油絵です。 友人とは、前に銅版の修復をしてあげたところのお家の友人です。 おそらくカラヴァッジョの影響を受けたマンフレーディの周辺の画家の作品ではないかと 思われます。 友人のお母さん(貴族のプリンセスだったそうです…
近くのアンティックショップで購入したソレント製の箱。 65ユーロだったのですが、交渉の結果、50ユーロまで下げてもらいました。 (もうすこし下げてほしかったのですが、だめでした。) 様式はアールデコ。恐らく40年代のものでしょう。 大きさから…
箱の中にたくさんの箱が隠されています。 ふたをあけると、手紙等をさしこむコンパートメントが。 木はロースウッド。 19世紀末というよりはもう20世紀に入ってから作られたものだと思われます。 ふたの真鍮の象眼もきれいです。 正面ファサード金具近辺…
挟み込んだ木、表からの図です。 あとから化粧板を張りました。 一番大変で、しかし感動的だったのは、一つ壊れてしまった 引き出しのハンドルの木彫です。 かなり時間がかかってしまいました。 木は修復不可能になってしまった19世紀初頭の椅子からいただ…
この鏡台はトレントの公会議の行われたトレントからやってきたもの。 ヴァンナさんというクライエントの家の伝わる家具です。 ローマに引っ越して来たため、ローマの乾燥した空気に突然ふれ、 木がところごころばっくりと割れてしまいました。 しかし一番の…
同僚の娘の通っている小学校の副校長さんの 赤子イエス人形。 床に落っこちてしまったようで、髪の毛がほとんど全部 落ちてしまっていました。 幸い、30個ぐらいの破片に割れてしまった髪の毛の ほとんどがちゃんと保存してありましたが、 なくなってしま…
工房の同僚がついに犬を入手。 どうして捨て犬を引き取らないの、とみなに避難されながら、 ジャックラッセルの子犬を先週、ローマにつれて来ました。 今まで野良犬ばかりを飼っていて、子犬から育てたことがないため、 一生に一度は、と思い切って子犬を購…
今月はいろいろなものの修復が完了。 たとえば友人のおばあさんの十字架。 金箔のはがれたところ、欠けたところの修復です。 (上の方の写真は室内でとったので金箔が黄色くうつっています。) クライエントの家具の修復が終わった時に進めている インペリア…
ナンバーワン翁が一日を過ごす机の後ろの家具には 上の方に昔、大工さんに作ってもらった戸棚が取り付けられていたのですが、 それが全体のデザインと合わないので、作り直してほしいと頼まれ、 知り合いの大工さんと共同で作りました。 残念ながら、仕上げ…
この美しいオブジェはなんと、フィリップス社の1929年頃の古いラジオ。 ラジオはPhilips Type 2511, 155 V、ラウドスピーカーは1927年、Type 2007 , bakeliteベークライト=フェノール樹脂製。 いろいろな模様があったようです。 http://pagesperso-o…
*上の写真は元ローマ大学「ラ・サピエンツァ」本部中庭の突き当たりにある 聖イーヴォ教会。国立古文書館はこの建物の2階にあります。 *1927年に取り付けられた「本の噴水」。 古文書館横の道Via degli Staderariにあります。 聖エウスタキオ地区のマ…
ピニェートに小さな工房を開いてからちょうど一年が経過した。 この一年はナンバーワンと私たちが呼んでいるB翁のおかげで 修復の出前など、いろいろなタイプの作業を行うことができ、 たくさんの経験を積んだ。 特に面白かったのはドカーティの40年代のラ…
和紙で穴の開いたところを埋め、紙の端の部分で 破損したところを継ぎ足す作業をしたのち、 しばらくプレスにかけておいた。 プレスにかけたおかげで版画の部分にかかっていた醜いしわも きれいにのばすことができた。 そして一番のクライマックス、銅版の絵…
日本でも浮世絵が発達したように、ヨーロッパでも同時代 銅版画によるアート作品の広い層における普及があった。 銅版画家ピラネージの活躍によって、ローマの風景画、古代ローマの遺跡画などが ジャンルとして確立するのだが、 19世紀にはロッシーニとい…
あっという間に12月、依頼されたドキュメンタリも滞り、 いろいろとものごとがすすまないうちにもうクリスマスの準備に入るローマの街。 先日は工房仲間の娘さんの通う学校の先生の家に車で豪雨にめげずに寄り、 第一次大戦中に武器入れとして使われたらし…
例のおじいさんの50年代のレコードプレイヤー付きラジオの扉再現作業も完了。 裏側の化粧板もなかなかきれいに貼付けることができた。 残念ながら扉本体の木が合板なので膠で化粧板を貼付ける時に 合板の表面に歪みが出てしまったので表面が真っ平らでない…
修復の出前に通っているおじいさんに依頼された ネオ・ルネッサンス式のテーブルと椅子のセットの修復が先日完了した。 こちらは壁に作り付けてあるクローゼットの扉のリフォームの仕事と同時に 進めていたものだ。 (クローゼットの仕事は別のクライエント…
水洗いをしたのち、次亜塩素酸ソーダ液を使った水洗いが続く。 紙は随分白くなったのだが、黄ばみを残すようにした。 水洗いが完了したのち、版画の部分以外の部分にのり付けをした。 版画4枚の洗浄に本日は3時間以上かかった。
18世紀後半に活躍した(美人)女性画家、 スイス生まれのアンジェリカ・カウフマン(1741 –1807)。 画家だった父親の手ほどきを受け、12歳ですでに父親を超える画家に成長した。 音楽にも丈ていたらしく、一時音楽家になろうか、 絵の道を進もうか、非常…