ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2008年 4月 今年のボローニャ Back to Bologna

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Photos: 4 photos from the workshops at the
Sala Borsa Children's Library in Bologna


The Fair:
ボローニャの児童図書のブックフェアは今年も不景気にかかわらず、
昨年よりもヴィジターが多く、
またフェア面積も結局昨年よりも少し減少した程度だったそうです。
国際絵本原画展のカタログは完売!!
アンデルセン賞を受賞したロベルト・インノチェンティ効果の
結果だとも言えますが
何よりも35ユーロ、とイタリアでの展覧会カタログの
通常の値段に比べるとだいぶいい値段だったことにもよりましょう。
デザイン、紙質なども変わり、カタログとしての魅力が増したという
ことにもよるのでしょう。
今年は日本人の入選者の方々がほぼ全員ブックフェアにやって来ました!
それは何よりも20年以上この仕事をいっしょに続けている相棒の
働きの成果。
いっしょに祝ってもらった20周年記念、とても嬉しかったです。
(しんくん、けいちゃん、からさわくん、そしてみんな、ありがとう!!!)
フェアそのものは、ちょっと変わったものを出版している
小規模な出版社が少ないように感じましたが
これは撮影で忙しく、全体をよく見れなかったせいなのかも
しれないのですが、確かに独特な絵本を出していた出版社が
大手に買われるケースが増えているようです。

Workshops for Kids at the Sala Borsa Children’s Library:
フェア中には二人の日本人のアーティストたちの、
サラ・ボルサ児童図書館における子ども向けのワークショップに
お手伝いとして参加。
何年か前に国際絵本原画展に着彩の同伴が作品で入選した田中清代さん。
日本のおばけの世界が感じられるので、彼女の作品が大好きです。
http://www.oyikakanat.com
今回は彼女の絵本の主人公であるトマトちゃんを
子どもたちが折り紙を使ってコラージュしました。
課題が難しければ難しいほど燃える子どもたち。
いしかわしほさんのワークショップは「アルファペット」の制作。
http://www.nasinc.co.jp/jp/a-pet
アルファベットの文字が折り紙の手法により、動物に変身!
どんな動物になるのか、発見した時の子どもたちの喜びは
本当に大きなものでした!!!

Workshop for the Boys at the Juvenile Prison in Via Pratello:
この3年間、ブックフェア期間中に駒形克己さんが
ボローニャ市内の少年院でワークショップをするという企画に
ボランティアとして参加させてもらっているのですが、
今年、このワークショップの企画は、ブックフェアの昔の
プロジェクト・マネージャーのエレナさんの手によって
Liberi di Leggere (Free to Read サラ・ボルサ児童図書館の
フェア期間中のプロジェクト、Fieri di Leggere, Proud to Read の
姉妹プロジェクト!)に進化しました。
授業で取り上げられたムナーリの本を気に入った少年たちのために
今年はムナーリと長い間本作りをしていた
マルツィア・コッライーニも講師として呼ばれています。
駒形さんの2009年版ワークショップ参加者は、
ルーメニア、マロッコ、イタリアの少年たち。
(毎年いろいろな少年たちと出会います。)
年齢は17、18歳。
席が隣の人の切り出した「形」をもらい、
それを何かに見立て、コラージュによる作品を作るというのが
課題だったのですが、
ルールは1)もらった形に文句を言わないこと
2)隣の人にこの形を作ってね、と頼んだりしてはいけない、
というもの。
ワークショップには先生たちや私服の警察官の人も参加していたのですが
みんな黙々と集中して一つの共通した作業をしている時の
そのきれいな、澄んだ、ぴんと張られた空気が忘れられません。
みんなからかもしだされる「気」が本当に一つのものになっていました。
駒形マジック。
ワークショップのおかげで今回、少年院の子どもたちの家族の
ケアも必要であるということが痛感され、
この問題提起に対する答えも何かの形をとって具体化するかもしれません。
「おかあさん、ボローニャにいますか。」と聞かれ、
「はい」と小さな声で答えたルーマニアの男の子はとても寂しげでした。
少年院の中は前回よりも監視が厳しくなり、
新しい教室には鉄格子の扉があり、作業中には鍵もかけられ、
重々しい雰囲気が漂っていたのですが、
少年たちの鋭い目はとても美しく、
激しい期待感、もっと知りたいというthirstが感じられました。

It's Springtime in Bologna!!:
今年はたくさんのカップルたちの幸せを分けてもらい、
嬉しかったです。
(日本の結婚届というものを、生で見てしまいました。
思い出しただけでも、まだどきどきするよ!しんくん、けいちゃん!)