ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2010年 4月 ローマの八重桜

今朝は息子と近くの市場でasparagi, cima di rapa(ブロッコリの親戚), spinaci,
carote, limoni, tarocchi non trattati(ワックス処理のしていない
シチリアの赤いオレンジ), uova da bere(新鮮卵)12個,
montepulciano d'abruzzo(ワイン) 2リットルらを購入。
帰り道、近くの小学校の横の八重桜が満開なのを発見。
先日帰国した相棒から東京でもまだ桜が楽しめるとのメールが入ったのだが、
ローマでもささやかな花見を楽しむことができた。
イメージ 1
                  (桜餅のなる木があればいいのになあああ)

午後はナンバーワン翁のところにおもむき、
ドゥカーティの30年代のラジオと
同じく30年代の戸棚に備え付ける、新しく作った部上戸つきの棚を届けた。
こちらの備え付けの棚は本体のデザインを考慮して大工の友人と
共同制作で作った。
翁はあまり具合がよくなくて、残念ながら本体の引き出しを貸し出してもらうことができず、
写真資料などから見当をつけて仕上げをしたので
どうしても色合いが本体と合致しなかった。
来週翁のところにおもむき、仕上げをし直す予定だ。

夜は修復学校の先生をしている仲間のオルリーに誘われ、
工房近くの自治センターに赴く。
ここには1月の人種差別的な攻撃から派生した移民たちによる暴動、
ロザルノ事件(南部レッジョ・カラブリア近くの街)に巻き込まれた
アフリカの青年労働者たちが40人、受け入れられている。
現在市民団体や労働組合などが協力をして、
不法滞在の彼らに滞在許可証獲得に向かって運動している
(不法滞在者であるからこそ、ンドランゲタやマフィアに利用されてしまうのだ)
集会の話をいろいろ聞いていると、現在の法律では
実実上、彼らに対する滞在許可証獲得は非常に難しいとのこと。
今はとにかく、彼らに生き延びるための手助けをすることしかできない。
とりあえず、お米、トマトの缶詰、ツナ缶などを差し入れした。
ローマのヴァルド派の教会もセンターに資金援助をしている。
どんどんモラルの低下するこの国では市民レヴェルでのこうした運動が
唯一の救いなのではないかと思ったりした。
彼らは本当にきりりとした、目のきれいな青年たちであった。
また、ヴァルド派教会の若い女性牧師の演説もすばらしいものであった。