ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2010年 4月 ローマで音楽鑑賞

ローマで新しいオーディトリアムができてから、その音響については
いろいろと議論されているようだ。
レンツォ・ピアーノによる、宇宙船が降りて来たような、
あるいはカブトムシのような奇怪な形をした新しいホールは
外側からみるとすばらしい。
(しかし、内部はあの外側の殻のようにカーヴしているわけではない。
また、おトイレの数がひっじょーーーーーに(異常に)少ない。
新しい国立現代美術館のほうは壁にもきれいな曲線が見られるそうだ。
おトイレの数はまだオープンしていないので分からない。)
聖ピエトロ寺院近くの昔のホールでは現在、
ローマ・シンフォニー・オーケストラがコンサートを行っている。
有名な合唱団付きのサンタ・チェチリアの方はその活動をすべて
フラミニア街道沿いの新しいオーディトリアム地区に移している。
サンタ・チェチリアという名のついたワインヤード(段々畑)式のホールは
桜の木を使った壮大なものなのだが、どうも音が散らばるような感がする。

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シューボックス型の昔のオーディトリアムの方が実際には音響がいいという
の話だが、私にはそこまでは分からない。

3月にはシンフォニー・オーケストラによるバッハの
ブランテンブルグ交響曲の1から6までの2回に分けて聴きに行った。
息子の大好きなバッハ
クラヴィチェンバロが実はテーブルの上にのっかっている
ハープのようなものであるのを発見して息子はびっくり。
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(ふたの内側にきれいな風景画が描かれていました)

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(熱出しててもちゃんと聴きにきました!バッハだもんね。)

日曜はモーツァルトの『レクイエム』をサンタ・チェチリアのホールで聴いた。
指揮はYuri Temirkanov!
ギャレリーの席の最前列だったので視界が欄干に遮られ、
立派なティンパノ奏者しか見えなかったのだが、
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おかげさまで『レクイエム』でのテインパノの重要性がよく分かったかなと。
モーツァルトは8曲目の「ラクリモーサを書いている途中でなくなってしまう
あとの部分は、師のメモや師の言っていたことをたよりに
弟子のズッスマイアーアイブラーたちが完成したという。
最後の部分は最初のIntroitus: Requiem aeternamを繰り返したものであり、
一番最後の音は短調でもなく、長調でもないオクターヴという
「開かれた」ラストになっているのがすごい。
日曜日のコンサートはファミリー向けに、
最初に分かりやすい解説がピアノ奏者付きで行われる。
息子は説明はちゃんと聴いていたのに、
本番でぐーすかてしまった。
「鎮魂歌」効果である。

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