ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

ローマ 展覧会、映画

イタリア映画 「鋼鉄ジーグ」と呼ばれた男

先週の金曜日より始まったローマ映画祭。 本部はAuditorium Parco della Musica (音楽公園)なのだが、 街中の映画館でもいくつかの映画が上映されている。 開催期間中にはラジオ局のスタジオやバールなどが特設され、 フェスティヴァルを盛り上げる。 何年…

マゼールとフランク、レスピーギ

昨夜、ローマのAuditoriumにて、ロリン・マゼールの指揮する サンタ・チェチリア音楽院管弦楽団のコンサートがあり、 なかなかおもしろかった。 プログラムはフランクの交響曲二短調で始まり、 第2部はレスピーギの交響詩、「ローマの噴水」と「ローマの松…

ローマで建築を楽しもう! オープンハウス

昨年2012年からローマでも開催されるようになった 「オープンハウス」という企画。 週末の2日間にわたり、普段は一般に公開されていない建物や 建築家のスタジオなどが一般に解放される。 地区によってはガイド付きお散歩コースが設定され、 たとえばヴ…

ナンニ・モレッティ主催「ビンビ・ベッリ」イタリア新人映画監督デビュー作品祭2012

Premio Primi Passi「よちよち歩きの賞」、それは かわいい靴用の箱の中に糊で固定された 赤ちゃんシューズ。 その年に生まれて初めて映画監督をしたイタリア人監督に与えられるトロフィーだ。 映画制作を奨励するモレッティらしいアイディアである。 (夫の…

移民をテーマにした最新イタリア映画 Io sono Li/ Terraferma

IO SONO LI 『私はリー』 監督:アンドレア・セグレ 上映時間: 100分 制作年度: イタリア、フランス 2011年制作 2011年第68回ヴェネツィア映画祭参加作品 http://www.youtube.com/watch?v=fB6aNVyLqx8 ローマから霧に包まれたポー川河口付近の海辺…

ヴェネツィア・ビエンナーレ イタリア館 2011 La Biennale a Venezia 2011

記憶の回廊・・・。 ヴェネツィア・ビエナーレは各国のパヴィリオンの並ぶ (有料の)二つの会場の他に ヴェネツィアの街の中のそこここにちりばめられた、 歴史的な建物の広間や部屋などを利用した その他の国々の(無料の)展示会場があり、 色々な見学の…

「テヴェレ川の詩」 有島生馬『蝙蝠の如く』 Poesie sul Tevere: "Come un pipistrello" di Ikuma Arishima

4月21日午前中、ローマの創立2764周年記念の日に テヴェレ川の中州、ティベリーナ島前の川岸にて 『テヴェレ川の詩』という、テヴェレ川にまつわる詩や 文学作品のパネルのシリーズ大4弾設置の記念セレモニーが開催された。 今回は11人の作家の作品の…

記憶と音楽 ローマ音楽科中学、ローマ大学大講堂にてイタリア解放記念合同コンサート Memoria in Musica

4月25日はイタリアの、ファシズム、ナチズムからの解放記念日。 息子の中学は他の音楽科のある公立の中学校とともに、 ローマ大学「ラ・サピエンツァ」の大講堂にて、合同コンサートを行った。 パルチザンの歌や、デ・アンドレの、レジスタンス運動を語っ…

魂を揺さぶる声 平山美智

2011年3月10日、つまり震災の前夜、ということになる。 イタリア前衛音楽の作曲家、 ジャチント・シェルシGiacinto Scelsi(1905/1988)の声楽曲の ミューズであったMichiko Hirayamaのコンファレンスを、 貴族の血筋を引くシェルシの自宅を…

イタリア,コメディー映画大流行!!

イタリアのテレビドラマは残念ながら、最近は 日本テレビの『電波少年』に遡るようなフォーマットのリアリティーショーや 首相のスキャンダルをテーマとしたトークショーに押されて 視聴率がとれず苦戦している。 夫の仕事柄、アメリカやイギリスのドラマを…

サンタ・チェチリア交響楽団打楽器特別コンサート I percussionisti di Santa Cecilia

本日はとてもよいファミリーコンサートを聴いた。 ローマのサンタ・チェチリア音楽院のオーケストラの打楽器奏者が主役の 特別コンサート。 年初めのファミリーコンサートは毎年、オケのあるパーツを取り上げた コンサートが行われ、2011年は打楽器の番…

2010年 12月1日 雨のち晴れ、マリオ・モニチェッリ氏よ、さらば。 Un saluto ad un grande uomo

夜,夫の携帯に届いたメッセージ、映画監督マリオ・モニチェッリ氏 95歳、サン・ジョヴァンニの病院の5階から投身自殺。 自分で自分のことを始末するとは 最後の最後までこの人はなんという勇気、dignityを持った人なんだろう、と 翌朝、同僚の女性たちも…

2010年 「七つの大罪プラスワン」展 SEVEN

夫のいとこデボラの夫、ロベルト・ロンカは新進芸術家をプロモートするための 一連の展覧会を2、3年まえからキュレート。 出身地のカンパーニャ地方の街やデボラの出身地であるヴェネト州を中心に 会場を探し、市に働きかけをしている。 果たして儲かる仕…

2010年 A Single Man ローマ・アジア映画祭参加作品

今年11回目を迎えるローマのアジア映画祭、 下院モンテチトーリオのすぐ近くにある 元劇場だったカプラニカというホールで開催されました。 フェスティヴァルは映画部門とドキュメンタリー部門が中心で、 毎年特別に取り上げられる国の映画上映も行われ、 今…

2010年 10月 「偉大なるヴェネトの画家たち」I grandi veneti!

「偉大なるヴェネトの画家たち」I grandi veneti という展覧会に昨日行って来ました。 会場はサンタ・マリア・デッラ・パーチェ横の ブラマンテによって設計されたキオストロChiostro del Bramante。 カッラーラのアカデミア絵画館の作品をキュレートしたも…

2010年 4月 ローマで音楽鑑賞

ローマで新しいオーディトリアムができてから、その音響については いろいろと議論されているようだ。 レンツォ・ピアーノによる、宇宙船が降りて来たような、 あるいはカブトムシのような奇怪な形をした新しいホールは 外側からみるとすばらしい。 (しかし…

2009年 7月2日 ヴェーロリの工芸職人展 Le Botteghe di Santa Croce a Veroli

photos: 1) the church you see on top is Santa Salome: one of the three churches in Italy that boasts of its Santa Scala 2) ups and downs 3) the chair-mender 4) the furniture restorer 5) our comode looks real good... 6) bottle-holders weave…

June 2009: ‘’Japanese Futurist Music and Poetry’’ in Rome

‘’Japanese Futurist Music and Poetry’’ June 9th, 2009 Japan Cultural Institute, Rome Festival Mediterranea It was not easy getting together all the pieces written by these young Japanese composers active during the 1920s and 1930s in Tokyo…

2009年 6月「こんにちは、セバスティーノと申します」 Interactive Saint Sebastian

*photos: The Sebastian Trio: Engineering:Marco, Sebastian:Pierluigi, Artist: Alfonso and Dan perched upon an olive tree, see the flowers? 6月は大忙しでした。 マルケ州マチェラータ郊外の、元修道院だったヴィラにて、 STartUPという、ヨーロッパ…

2009年 6月 日本の未来派詩と音楽の夕べ Serata di musica e poesia futurista giapponese

ひょんなことからオーガナイズする事になった (実は登校下校時の、お父さんお母さん同士の交流の中から・・・) 「日本の未来派音楽と詩の夕べ」、と題するコンサート、 本当にたくさんの方々の協力を得て9日に実現できました。 みなさんに心からお礼申し…

2009年3月1日 2月20日未来派宣言100年記念 Celebrating Futurism

2月20日、フィガロ誌におけるマリネッティの未来派宣言100周年を記念して Scuderie del Quirinale 美術館に未来派展がオープンした。 これはパリでの展覧会をイタリア向けにアレンジしたものらしく、 例のエステル・コーエン教授がキュレートを担当し…

2008年 11月21日 第9回 アジア映画祭

今週はローマの4つのヴェニューにて アジア映画祭が開催されている。 昨年もインドや中国の映画を鑑賞したのだが 残念なのは、学生がほとんど観客の中にいないということ。 先週も最近修復されたハドリアヌスの神殿にて 「アジアの建築」というテーマで4つ…

2008年 7月 フェロニア文学賞 Premio Feronia

The Feronia Prize was begun seventeen years ago as a challenge against other literary prizes. It is meant to stimulate and to regenerate cultural activities that tend to remain stagnant in Italy. The award-giving ceremony is held each year…

2008年 6月28日 詩歌の夜 Poetry Night on the TIberine Isle

*My son and his brand-new classmate on the Tiberine Isle. 新しいクラスメートとともに、ティベリーナ島の夜。 *The "Broken Bridge" 「壊れた橋」 It's scorching hot! But I remember that August in Kyoto was hotter.... Last night I was back on …

2008年 6月22日 La Quadriennale 2008

*On the steps of PalaExpo お父さんはロスに出張。 息子と2人だけの週末日記。 Daddy's out in L.A. Here's what Mom and I did on Sunday... 日曜はまずポルタ・ポルテーゼの市に行って パン入れに付けられそうな古い蝶番を探した。 アンティックの家具…

2008年 2月28日ー3月2日  ローマ現代美術展

*This is me holding this big bronze table with three other guys. This is Roberto Barni's work which took part in the Contemporary Art Fair here in Rome (The Road to Contemporary Art), held in various historic venues like the Church of San…

2008年 3月6日 De Chirico's House

Giorgio De Chirico! stirs inside you something you're not familiar with... his flat colors, the uncomfortable forms, the strange nightmare-like lighting.... Did you know that his apartment is still there facing the Spanish Plaza with lots …

2008年 2月26日 3つの展覧会

現在ナツィオナーレ通りのパラエキシポで開催中の展覧会を3つ観に行った。 例の中国21世紀の芸術展、イタリア20世紀美術と産業デザインにおける 「スピード」をテーマとした展覧会、そしてNational Geographicの写真展を鑑賞。 中国の現代美術展には例…

2008年 2月23日 セバスティアーノ・デル・ピオンボ展(1485年-1547年)

ヴェネツィア宮殿で現在開催中のSebastiano del Piombo展 に関する覚え書き。 会場内は緑、赤、ブルーなどの照明がホールごとに施され、 作品の飾られた特設の壁の前にもう一つの壁が置かれ、 窓のようなくりぬきがしてあって、そこをのぞき込むと作品がある…

2008年 2月17日 サンタ・チェチリア交響楽団100年祭

本日はローマのサンタ・チェチリア交響楽団の百年祭。 朝の10時頃からParco della Musica「音楽の公園」のAuditoriumで 各種コンサートが3つのホールで展開されている。 日本語のレッスンを終えてから我々も自転車でAuditoriumに向かい、 3時からのヴィ…