ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2010年 7月 19世紀後半イタリアの鏡台の修復 その2 Restoration of an Eighteenth Century Dressing Table

挟み込んだ木、表からの図です。
あとから化粧板を張りました。
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一番大変で、しかし感動的だったのは、一つ壊れてしまった
引き出しのハンドルの木彫です。
かなり時間がかかってしまいました。
木は修復不可能になってしまった19世紀初頭の椅子からいただいたクルミを使ったので、
かなり彫るのが大変でした。
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ヴァンナさんは、このドレッシングテーブルを普通の机として利用したいとのことで、
鏡の部分をはずすことになりました。
鏡は居間の飾りとなります。
ハンドルは、ヴァンナさんにどれがオリジナルなのか、
当ててもらったのですが、どれが本物なの区別がつきませんでした。わっはっは。
下は完成の図!
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とても女性的な優美な線です。
特に脚の部分はルイージ・フィリッポ様式。
ドレッサー部分はクルミの化粧板が全体に張られています。
脚はクルミ、ドレッサーの構造はモミ。
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引き出しの内部はメーブル。中央の引き出しは、ボタンを押すと
ファサードが開き、ライティングデスクになります。
インクのしみがいくつか見られました。
どんな手紙が書かれたのでしょう。