ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2010年 スパーダ宮のネコ Il gatto della famiglia Spada

ローマの美術館のなかで一番気に入っているのは
スパーダ宮殿のギャレリー。
ローマには貴族の邸宅の中を徘徊しつつ、
天井ぎりぎりまでをうめつくすキャンヴァスを見上げるようにして
楽しむタイプの美術館が多いが、スパーダ宮は床もオリジナルだ。
監視の人たちもとても親切で一つの絵を熱心にコメントしながらみていると、
向こうから話しかけてきて冊子には書いていない裏話をはなしてくれる。
一階の奥の中庭にあるボロミニによる遠近法による錯覚の回廊。
奥の彫刻は実は約85センチほどしかない。19世紀に置かれたものだそうだ。
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     国務院内のソファー越しに見えるGalleria prospettica

昔はつきあたりの壁に、さらなる奥行きを表す庭園の風景画のフレスコが描かれていたという。
遠近法のだまし絵的な空間、ギャレリーのスタッフの女の子が中を歩いてくれた。
ある時点で彼女は巨人になったように見れた。
本当は8、9メートルの奥行きのところ、35メートルの奥行きがあるように見える。
宮殿の一階は国務院、奥の庭にはネコのサンクチュアリーがあった。
トッレ・アルジェンティーナ広場のサンクチュアリーよりも小規模なものなのだが、
ネコたちが宮殿の中庭を、のっそりと歩き回り、
観光客に愛嬌をふりまいていた。
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宮殿前の広場にある建物にもたくさんのだまし絵が

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  スパータ枢機卿のネコの直系の子孫か。
この余裕のある表情から言えば、いかにもそういう感じ。