ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2010年10月 ソレント製アールデコ風ボックス Scatoletta sorrentina art d??co

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近くのアンティックショップで購入したソレント製の箱。
65ユーロだったのですが、交渉の結果、50ユーロまで下げてもらいました。
(もうすこし下げてほしかったのですが、だめでした。)
様式はアールデコ。恐らく40年代のものでしょう。
大きさからいうとシガー入れという感じがしますが、
女性用のアクセサリー入れとして使うことができます。
45歳にして3人目を出産した友人ナディアへの贈り物となる予定です。
化粧板が何カ所か破損していました。
また、仕上げの工業製のラッカーが白くなっていて
せっかくの木目が全く見えない状態になっていました。

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古いラッカーを全部落としたあとの状態です。
化粧板は板というよりは紙のような薄さでした。
そうすると40年代よりももっと時代が新しいのかもしれません。
(寄せ木細工の女性の洋服のデザインも40年代以降という感じです。)
あまり紙ヤスリを強くかけすぎると、1200を使用した場合でも消えてしまいそうです。

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ラッカーで何度も何度も磨き、すこし層を作っていきます。
木目がきれいに出ています。なかなか立派なものです。
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写真あまりよくないのですが、はーい、できあがり!!
笛を吹く男性と共に女性がダイナミックなタランテッラを踊っています。
とてもうごきのある寄せ木細工です。
輪になっている人物構成も素敵です。
すわっている男性はorganetto(アコーディオンのような楽器)を弾いています。
つぼの前に蛇のようなものが見えるのですが、
ただのひもである可能性があります。
しかしタランタという蜘蛛にさされた女性たちからその毒を祓う儀礼として
発達したタランテッラという民族舞踊は
蜘蛛だけでなく、サソリや蛇にかまれた場合にも行われていたらしく、
寄せ木細工のモチーフに蛇が現れても不思議ではないのかもしれません。

修復した状態でお店で売るとしたら80ユーロから100ユーロでしょうか。
小さくてしかも手間のかかるものですと、まったくもうからない仕事でございます。