ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

哀しい春。

11日朝、コロッセオの前に至った時に姑から電話があり、
日本に大きな地震があったという知らせを受ける。
東京の実家に電話をしてみたら、ぜんぜんつながらない。
何も情報のないなか、ローマで日本の会社に勤める友人に電話をしてみると、
東北地方仙台が津波で壊滅したらしいと聞き、
仙台の友人の顔がフラッシュし、
ほとんど地べたにすわりこんでしまう。
夫に頼んで東京で働く妹の携帯にメッセージを送ってもらう。
すると数分後に東京ではみな無事だ、という返事が!!!!!!

そのあとは修復学校にすっとんでいって
事務のコンピュータを借りてインタネットでNHKの英語のページに接続。
津波が宮城県海岸沿いをヒットしたと読み、
仙台の親友夫婦の自宅住所や勤務先が仙台のどこらへんにあるのかGoogleマップでチェック。
NHK仙台支局の地震のときの映像、仙台市青葉区の住宅地の映像などをみて、
親友は大丈夫なのでは、と考える。
帰宅後、親友にずっと電話をし続けるが、全然つながらない。
メールの返事もない。
勤務先の大学のホームページにもアクセスできない。
今朝、ようやく母に二人とも無事だと聞き、ほっとした!!!!

妹に後で話を聞くと、地震の時に34階のオフィスにいて
揺れがひどくて廊下を歩けなかったとか。
階段を使って下まで降り、
しばらくしてからまた上に(階段で!)戻ってそのままオフィスに
とどまり、翌朝復旧した電車に乗って家にたどり着いたということだ。
帰宅難民、帰宅中の小学生も大勢いたことだろう。

インタネットは大変ありがたいと思うが、
刻々と入ってくる恐ろしい情報により、どんどん気持ちが沈んでゆき、
無力感の下敷きになってゆく。
information anxietyの網の中にどんどんと巻き込まれてゆく。
朝日新聞のホームページで掲載される情報が
あとからNHKのほうのページで出たり。
当たり前なのかもしれないが、
報道の態勢に違いが見られ、興味深いものがあった。

イタリア人友人からどんどん携帯の方にメッセージが送られてきたり、
電話がかかってくる。
イタリア人夫にも会社関係の人たちからどんどんメッセージが。
みな、日本の事を心から心配している。
よく知らないお店の人たちもみな心配している。
そしてなによりも、だんだんに公開されてゆく
いろいろな映像で垣間みられる
日本人の勇気と冷静さに心打たれるのである。
「とにかく健気ですばらしい国民だ」と、日本人を代表してほめてもらったこの2日間。
(わたしはだめ日本人だけど)
どうかどうか、この悲劇的な災害が、日本の素晴らしさを
どんどん発揮し、苦しみの中から再出発するためのトランポリンとなりますように。
ローマのイタリア人友人一同。