ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

ヨハネ・パウロ2世福者化記念日、メイデイのローマより Woytyla's Day, May Day in Rome

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ヘリコプターのぶんぶん飛ぶ音で起こされた本日の朝。
(午後2時を回っていますが、お昼休みが終わったと見えて、またまた
ヘリコプターの音がうるさいです。)
パーパ・ウォイティラ(ウォイティラ教皇)と呼ばれていた
ヨハネ・パウロ2世(本名はKarol J?zef Wojty?a)の福者化の儀式が
本日午前10時より、サン・ピエトロ広場で行われました。
法王が前任者を福者に認定するのは歴史上初めてのことのようです。

10時過ぎ頃に自宅からオッタヴィアーノ通りを通って広場の方に
行こうと試みましたが、
ヴァティカン市国のまわりは巡礼者でごったがえし、
我々はリソルジメント広場に設置されたメガスクリ-ンに映し出される
ミサに参加する信者たちの間にまじり、列福の瞬間に響き渡った拍手に参加。
列福が宣言された後、教皇を最後まで看病していた修道女、
そして教皇の奇跡を受けてパーキンソン病の病状がよくなったと言われる修道女の二人が
ヨハネ・パウロの血を納めた銀製の容器を現法王の元に運び、現法王はそれに接吻。
(この血液はヨハネ・パウロが入院中の時に採血されたものの残りらしい。)

スクリーンに向かって世界各国の信者たちがリソルジメント広場、
そして広場に通ずる道にすわりこみ、歩けないほどでした。
ベンチにも年配の巡礼者がぎゅうぎゅう詰めにすわり、
みんなで居眠りをしているのを見かけました。
ネームプレートをのぞくと、ブラジルの団体のメンバーであることが判明。
時差による疲れが出たようです。おつかれさまです。
ナイジェリアから来た信者の使節団は
「パパ・トゥニカ」と言う、ヨハネ・パウロ2世の肖像を刷り込んだ
特別の青い服をまとい、注目を集めているとのことです。
われわれも一人、それをまとっている人を遠目で見ました。

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バナーを持って歩いたりしていると、
カメラマンたちの注目を浴びます。
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広場に向かう道なりに、福者化記念グッズを山積みにしている屋台が
ならんでいました。
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特製ロザリオを買い求める女性。
グッズは、マグネット、ロザリオ、写真立て、小型の人形や胸像、
バッジ、旗、キーホルダー、スカーフなど。
古代ローマの兵士の人形の隣にならべられる、パーパ・ウォイティラ。

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市電も今日はこの地区を走っていません。
ヴァティカン市国の周りは歩行者天国になっています。

ヨハネ・パウロ2世は世界の宗教間の対話を押し進めたり、
カトリック青年国際会議を設けたり、
そして何よりもポーランドにおける共産主義からの解放運動の
精神的主柱となり、その勇気ある活動は高く評価され、とても人気があります。
一方で妊娠中絶、人工授精、安楽死に対し否定的であったり、
カトリック教会の腐敗や汚職を正面からとりあげることなく、
コンサーヴァティヴな教皇であった言えましょう。
その弊害がペドフィリー問題などの形をとって少しずつ露にされています。

いずれにしろ、本日はそうした問題はさておき、労働者のメイデイと合わせ、
お祝いの一日です。
午後からサン・ジョヴァンンニ・イン・ラテラノ教会広場にて
恒例のメイデイ・コンサートが開催されます。
テーマはイタリア建国150周年記念。
歌手はSubsonica, Caparezza, Bandabard?, Lucio Dalla,
Daniele Silvestri, Gino Paolo, Paola Turci などが参加。
息子の中学のコンサートでも歌われた
オペラ、『ナブッコ』からVa' al pensiero,イタリアの国歌、
パルチザンの歌、Bella ciaoなどもプログラムに入っており、
映画音楽で有名なエンニオ・モッリコーネが新曲、Elegia per l'Italia (イタリアに捧げる哀歌・・・)を
ローマ・シンフォニエッタ交響楽団と60人の合唱団、Nuovo Coro Lirico Romanoとともに
発表するのだそうです。
コンサートのロゴ、きれいです。

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