ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2007年10月10日 うんこ鳥の帰還

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本日のローマは雨。
気温がまだ高く、朝は軽いジャケットでの外出だ。
それでもプラタナスの大きな茶色い葉っぱがはらはらと落ちる。
私たちが「うんこ鳥」と呼んでいるうるさい鳥たちが
大群をなして戻って来た。
糞がいつもより臭いのは数が昨年よりも多いせいなのだろうか。

息子は本日からちびっ子バスケ再開。
昨年は小学校の体育館がホームベースだったのだが、
三年生になったので今年からは
お隣の高校の体育館を借りている「トリオンファーレ」という
小学校高学年のチームのメンバーに昇格。(イタリアの小学校は5年制)
今年は自分の意志でちゃんと入って行くのかと思ったら
学校の入り口で早くも立ち往生・・・・
結局はちゃんと入って行ったのだが、
相変わらず、未知の環境を前にした時は
どうしても後ろから押してあげないと入って行きにくいらしい。

ムナーリ展の準備は危なっかしくも、少しずつ進んでいる。
こちらは蚊の大群の湧くマントヴァのコライーニ社の地下のスタジオで
日本にやってくる作品の写真撮影が行われている。
社の入り口にはコックスの美しい花のコラージュの小品が飾られていた。

ムナーリ展のカタログのために一つ一つの作品について
簡単な調査を行っている。
ムナーリはアートが広く、どんな人にも楽しめるよに、
理解できるように、そして何よりも実際にできるように、
次々とたねあかしをして行った。
1970年のヴェネツィア・ビエンナーレでは
展覧会を観に来た人たちに、ゼロックス社のコピー機を使った
コピー・アートのやり方を披露し、実際に作品を作ってもらったそうだ。
アートに関わる人たちは、こうした新しい機械でどんな新しいことが
できるのか、自分たちの発見したsegreti del mestiere(何かを作るための
こつ)を一般の人たちに知らせる使命を負っていると言った。
誰でもアート、アートは開かれたもの。
ムナーリの作るものはすべてそれに接する人たちに開かれたものだ。
おいで、みてごらん、やってごらん!!おもしろいでしょう?ほらねえ?
ムナーリの本の中ではいまのところ、Da cosa nasce cosa が気に入っている。
人間が何千年とかけて作り出して来た道具や生活に必要なものたち、
これらに対し、デサイナーはいかに貢献していくことができるか。
ムナーリのきれいにまとめてくれた製品企画の過程をたどってみて
壁に取り付けるランプを設計してみたくなった。
(気に入ったデザインのものがなかなか見つからないので・・・)