ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2007年9月18日 新学期!

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早いもので息子は小学3年生。
先生も子供たちもよく日に焼け、元気そうである。
クラスからは一人減って19人となった。
両親が離婚してしまい、お母さんといっしょに住むことになった二コール。
お別れ会もせずに、ひっそりと去っていった。
こちらはまだ工房に戻っていないので、「いやあ、珍しく手がきれいだね」と友人に言わる。
(修復をしているとお風呂に入らないと手の汚れが完全にはとれない。)

12月から日本で始まるムナーリ展の準備で目が回りそうである。
早く作品リストを固めたく、イタリア側をプッシュしているのだが、
十分な反応がないので困る。
いつもぎりぎりの人たちと仕事をするのには慣れているけれど、
上には上がいるものである・・・
ムナーリとその周辺について調べはじめると、どんどん引きずり込まれる。
30年代のミラノ!出版業界に革命の起きた時代だ。
(業界そのものの確立した時代であろう。)
字体、レイアウト、装丁を含む総合的なブックデザインと
アート・ダイレクションなどのコンセプトの形成!
未来派は本というオブジェをも考え直す。
キリスト教芸術は文盲の民衆への伝達に力を入れ続けたが、
ファシズムを背景とした未来派も「ポーポロ」(人民)との直接対話を目指して
イメージや文字の伝達力を最大限にパワーアップ。さまざまな実験を行った。
イタリアに来て間もないころに、レッジョ・エミーリア近くの小さな町の
アンティック市で購入したRivista illustrata del popolo d’Italia の
1941年版が手元にあるが、大判で、大きく引き伸ばした
写真やイラストがたくさん入っていて、読み物もとても分かりやすく書かれている。
数はもちろん確かめていないが、三国同盟のおかげ?で日本文化を紹介する記事も
この時代の雑誌に多いような印象を受ける。

今年はいつまでも蒸し暑く、メロンがまだ出回っている。
(これが甘くて7月に食したものよりもはるかにおいしい・・・)
気温上昇のため、アドリア海が沼と化すのではと懸念されている。
海流の変化により、トリエステでは風が吹かなくなった・・・
身近な生活の中で、どんなに小さなことでも改良していかないと
大変なことになりそうである。