ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2008年 1月27日 Paranoid Park

本当は『クスクス』を観たかったのだが
夫の同僚で観に行った人が四人もあまりよくないと
言うものだから、結局ガス・ヴァン=サンの『パラノイド・パーク』を
観に行くことにした。
ううん。
これは映画というよりは、ちょっとヴィスコンティの『ヴェニスに死す』風に
あの素敵な若い俳優に捧げられたポートレート・ヴィデオのような
感じがした。
あるいは音入りのインスタレーションヴィデオのような。
音楽や音声が美しかった。
最初の、色のついた雫のしたたるような音とか。
スケートボードに乗ったカメラマンの撮影した映像もいい。
ボッシュの絵だったと思うのだがそれに似たような、
光に向かって流れていくスケーターの影とか。
結果としてはとっても記憶に残りそうな映画であった。