ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2008年4月25日 ヴィッラにて A Visit to Villa Camponeschi, Posta

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*写真は上から1)ヴィッラから臨むテルミニッロ山2)子やぎたちがかわいいです。
  白いのはやぎではなくてマレンマの牧導犬の子犬。3)Postaの Cesaretti 卵農場。
  とれたてのおいしい卵を直売しています!!4)ダンテとフェーデちゃんです。
  雪解け水による小川を発見しました!

The weekend before the elections in Rome we visited Villa Camponeschi,
a hamlet nestled on top of a mountian above Posta near Rieti.
This is Fede's (my son's classmate) father's hometown.
With all the sheep and the still snow-capped peaks
surrounding the majestic Terminillo the scenery was Swiss-like.
This is an area where the Lazio, Umbria, Marche regions meet.
The rugged mountain-side with twisted trees had traces of
rock-terraced land... reminders of how difficult life was here.
Most of the small villages are populated only during week-ends
since many of the houses are second-houses.
My son was happy to run around the village till dark with his friends,
hunting for water gushing out from the underbrush or playing
hide-and-go-seek in the narrow alleys.
After a visit to a goat farm in Cumulata,
we visited the Cesaretti egg farm in Posta.
It was amazing to hear 9000 hens clucking all together!
A nice warm soft sort of cooing sound of bliss.
The area suffers depopulation and we learned that the
new EU regulations are making things even more difficult
for the few producers that are left to continue...

ローマ市長選前の週末には息子の級友、フェーデの山の家に遊びに行った。
Villa Camponeschiはフェーデのおじいちゃんたちの生まれ故郷。
テルミリッロ山の見える標高千メートルの風光明媚な小さな村。
今では11人の住人しかいないのがだ週末になると
ローマやマルケ州のほうからここに別荘を持つ家族たちが
ぞくぞくとやってきてにぎわうところだ。

ヴィッラはサラリア街道沿いのポスタから東の方へのぼったところにある。
リエーティを越えてヴェリーノ渓谷にそって街道をマルケ州に向かって北上していくと
ムッソリーリを記念してDUXという文字になるように森林が伐採されている
ピラミッド型の山が見える。
今でもそれがきれいに保たれていることを考えると複雑な気持ちになり、
一気に現実に引き戻された。
一方でこの地域はドイツ軍が村々の家長たちを抹殺して回ったという
苦渋に満ちた歴史を持つ場所でもある。
たとえば、まだ雪を戴くテルミリッロ山の見える高原の村、クムラータ。
今ではもう一家族、計3人の住民しかいない。
そのうちの一人は牛小屋の床の穴に潜り込み、
小屋が焼き払われたにもかかわらず、生き延びた家長の一人だ。

過疎化に悩むこの地域は放牧(牛、羊、ヤギ、馬)が盛んなのだが
ヨーロッパ共同体の様々な規定により
伝統的な生産方法がどんどん消えて行く。
例えばチーズを作る時に使う凝乳酵素。
これは本来は牛などの胃から得ていたものだったが
規定により薬局で購入されたもの以外は使用不可。
肉を用意する時に使う様々な木の道具も全部アウトだ。
牧畜を営んでいても肉屋をかねていない場合は肉の直売はできない。
数少ない生産者たちと話をしていると、状況がどんどん厳しくなり
このままでは続けていくことは難しい、ということがたびたび聞かれた。
ヤギたちのいるクムナータを訪問したのち、ポスタの卵生産農場を訪れた。
9000羽の鶏たちの歌う一つの歌は、餌がいくらでも食べられるという
喜びを伝えているようでもあった!