ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2008年 10月15日 反ジェルミーニ・キャンドル・デモ Fiaccolata contro Gelmini

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日本でどの程度報道されているのかは調べていないのですが
イタリアでは特に小学校が昔のシステムに戻ることになりました。
(専門家による調査委員会も設置されす、研究も一切踏まえていない改革です。)
まずは大幅な予算削減により教師を半数に減らし、
現在の文科系、理系の担任二人制をなくし、担任を一人にする。
担任は週24時間しか働かないので事実上、全日制は廃止。
(4時半まで子どもを残す場合には
プライヴェートの団体にお金を払って
学校内で課外活動をさせる。)
クラスの少ない学校約4000校を廃校にする。
授業についていけない子どもに特別に当てられた
補助教員も減らされるので
いままでのマンツーマン方式は不可能になります。
今日通った法案はイタリア語能力がある一定のレヴェルに
達していない外国人の子どもは一つののクラスにまとめる、というものです。
(カザキスタンからやってきた新しい仲間はしかし
3ヶ月でべらべらになりました。
それはやはり普通のクラスに入ったからでしょう。)
補助教員を減らし、一クラスを30人に増やすということは
特殊学級もまた復活するかもしれないということです。

大統領に私もメールを送ってみました。
何の役にも立たないかもしれないけれど。
学生だった15年まえに長野県から小中学校の教師たちのグループが
イタリアのこのユニークな学校制度を見学し、
多くの刺激を受け、非常に感激して帰国して行ったことを
書きました。
自分の息子が素晴らしい教師を3人も得、
(クラスの仲間に補助教員がついているのですが
サブリーナ先生はクラスにとっては3人目の担任の先生なのです)
彼女等の息の合った協力関係によって
クラスの子どもたちは質の高い
interdisciplinaryな教育を受けている、と。

PTA会議が終了したのち、
息子と私は先生たちと一緒にキャンドル・デモに参加しました。
経路はマッツィーニ広場からサン・ピエトロ寺院近くの
リソルジメント広場まで。
息子のクラスからは残念ながら私たちだけでした。
問題意識があまりにも低すぎます。
スタートの時点ではデモが失敗するのではないかと
懸念されましたが、
ジュリオ・チェーザレの交差点でほかの学校からも
たくさんの参加者が合流し、クライマックスを迎えました。

左派や学生たちはストやデモを通じて今までのあらゆる改革に
すべて反対して来たと言う歴史があります。
そのため、抗議するという行為自体が効力を失ってしまったかのようです。
これからもストやデモが続きますが
やり方を変える必要があると感じます。