ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2008年 1月 ヴェローナ散歩

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 *Santa Maria in Organo の鐘楼
*SS. Nazaro e Celso入り口
*Via San Vitale n.16「シェ・フィリップ」のフィリップさん
 *元教会だった建物。どんな空間に変身するんだろう。

夏には演劇祭やコンサートの開催されるローマ劇場のある
アディージェ川の反対岸にもたくさん
いい教会のあるヴェローナ。
中でもSanta Maria in Organo は修道士Giovanni da Veronaによる
intarsio象眼細工の施されたcoro聖歌隊席とsagrestia聖具室が有名。
このインタルシオは多分今までみたなかで一番すばらしいものだ。
木の種類、木目の模様や光沢のちがいによって
3次元的な空間を演出している。
ボローニャのサン・ドメニコ教会の聖歌隊席のインタルシオもすごいけれど
こちらの作品にはより絵画性が感じられた。
そして聖具室。ヴァザーリがイタリアで一番美しいもの、と評したということだが
本当にその通りだ。
象眼細工、木彫、そして天井まで続くフレスコ画。
天までつながっていく音楽のよう。
薄暗い自然光で見たのでより一層、その語らいが聞こえてくる。
San Nazaro e Celso 教会もとても美しい。
聖ビアージオの聖遺骸のおさめられているチャペルはその全体にフレスコが
施されている。
2月3日には、魚の骨がのどにひっかかった子どもを救ったとされる
この聖人を記念した「のどの祝福」の儀礼が教会で行われる。
そうえばNYの教区の小学校に通っていたころ、
この儀礼には洗礼を受けていない私も受ける事ができた。
今でものどに押し付けられる長くて太い、
つるつるとした白いろうそくの重みと香りが思い出せる。
最後に訪れたのはSan Tommaso.
こちらは側廊のないnavata unicaの広々とした教会だ。
子どもたちのあそべる一角が
入り口付近に用意してあるのには驚いた。
ミサの間、子どもは退屈だものね。

お散歩の途中にはVia San VitaleのChez Philippeというバールで
おいしいコーヒーを飲み、息子はクッキーをごちそうしてもらう。
マスターはフランスからやってきたばかりのフィリップさん。
年末もバールを開けていたので大変だったよ!と語る。

San Tommaso界隈は最近アジア、アフリカの移民が多く移り住み、
ヴェローナの人々にはあまり人気のない地区らしいが
中世やルネッサンスの建物が多く、私はとても気に入っている。
家具修復の工房もいくつかあった。うん、いいなあ。
たとえば元教会だった古い小さな建物を工房に改装して
子どもたちとのワークショップも開ける空間をつくる・・・
夢のようなはなしだ。