ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2009年 2月3日 ピニェートの星 LE STELLE DI PIGNETO

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*われわれの新しい作業場のある通りの主、Il capo とその子分
*自慢の作業台。カニーノという海に近いきれいな街に住んでいる
大工さんから購入。
*ピニェート通りの市場

ロヴェレートから戻る電車の中で仲間のピーナから電話があり、
情報過多に酔っぱらっていたところに作業場が見つかったという知らせを受けた。
場所はなんと、あの今ローマっ子の間で一番ナウいとされているピニェート。
(なういというのももう死語でしょうか・・・)
アレッシオというアーティストのアトリエの一角だ。

ピニェートは昔、「神に見捨てられた場所」として虐げられていた恐ろしい地区。
ローマにいるとは思えない、別世界の村落のよう。
背の低い、小さなかわいい建物がたくさん並んでいる。
Pigneto is Munchkinland, really,
It looks as if God just threw it out there.
Tiny little houses all in a row,
Some are run-down, some are restored to perfection.
高い塀に囲まれた庭付きの一軒家もあり、ちょっと東京郊外の住宅街のようでもある。
改装されていない部分、廃園、廃墟と化した建物もたくさんあり、
通りによっては本当に救いようもないほどぼっろぼろ。
タイムスリップしたようなところもある。
地区にはアーティスト、アーティザン、小さな映像制作会社のスタジオが混在。
アフリカ、アラブ、インドなど外国人の住民も多い。

マフィアから押収された建物はアヴァンギャルドな映画館に改造され、
地区内の倉庫はクラブやレストランにどんどん改装されているらしい。
もっとも、日本のように急速に、というわけではなく、
とってもゆっくりとした変化である。
わたしたちもその変化に加わって行くのだろうか。
ピニェートといっしょにどんなふうに成長して行くのだろう。
作業場のあるアトリエの近くで地下鉄C線の駅の工事をしている。
こっちのほうも早く終わればいいのになあ・・・。