ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2009年3月1日 2月20日未来派宣言100年記念 Celebrating Futurism

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2月20日、フィガロ誌におけるマリネッティの未来派宣言100周年を記念して
Scuderie del Quirinale 美術館に未来派展がオープンした。
これはパリでの展覧会をイタリア向けにアレンジしたものらしく、
例のエステル・コーエン教授がキュレートを担当している。
ラジオでも連日未来派の音楽や美術についての特番が放送されている。
こちらの展覧会の方は、相棒のイタリア帰還待ちなのでまだ行っていないのだが
20日金曜の夜、太手道の稽古でつかれきっていた息子を引きずって、
未来派100周年記念イヴェントの展開されているポポロ広場に出て行った。

祖国の祭壇のあるヴェネツィア広場からボオロ広場まで
緑色のレーザー光線がのびていて、とてもきれいだった。
馬のレースcorso dei cavalliの行われていたコルソ通り、
本当にまっすぐカピトリーノまでのびている!
広場ではレーザーによる光のショーが展開。
未来派のraggismo光線画の延長ということらしい。
ブライアン・イーノのインスタレーションはしかし
未来派のダイナミズムとはかけはなれたものでがっかり。
未来派は規制のフォルムをくつがえすものであるはずなのに、
結局のところ、「これは未来派を記念するイヴェントである」と
大声でシャウトしている作品は見られず。
選択をする側に問題がありそうです。
インスタレーションを見るために美術館で列に並んでいる間、
おなかが空いたと彼女にぼやいていた青年が
「未来派のパニーノでもここで出てくればいいのになあ」と
コメントしていたが、
うん、生活全体に行き渡りたがりの未来派をセレブレートするなら
本当にここで未来派風夜食弁当でも出てくれば最高なのになと
こちらも思った。

そういえばレオ・レオニもムナーリも第二未来派にかかわった作家たちだ。
二人とも、その運動のビックバングにのり、
とくにムナーリは未来派の理論をまさに実践にうつし、
今でもわたしたちを刺激してやまない真の未来派人だったと言えよう。