ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2010年 3月1日 ボローニャ、コンサート会場下見など Sopralluoghi a Bologna

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写真は
*サングィネッティ宮殿内の音楽美術館。庭園を描いたフレスコ画が美しい。
ローマのリヴィアの家の庭園のフレスコ画の延長と言えましょう。
*ファルネーゼ聖堂。別名法王代理の聖堂。
*旧「死のサンタ・マリア」病院、現考古学博物館のポルティコ。
*市役所宮殿の中にも庭園のフレスコ画が楽しめます。噴水の水音が聞こえて来そうです。


ボローニャに戻ると、心が落ち着きます。
もっとも、ぴりぴりしたローマにばかりいると、どの街も
より落ち着いているように感じるのだろうとも思います。

3月28日のコンサート会場、下見行ってきました!
天正少年使節もきっと迎え入れられた法王代理の聖堂、
フレスコ画はあまり残っていませんが、
すごいです、こんなにどでかいヴァージョンで
マリアの生涯のサイクルを見たことはありません。
神殿の階段を軽やかに、楽しそうにのぼっている少女マリアの
白い衣服が風になびく。
しかしここは現在コンファレンスルームになっていて、
机を動かすのが大変そうです。
3月からは音楽院との提携でコンサートが開催されるそうで、
グランドピアノが置かれるということです。
のて、合唱団のコンサートもグランドピアノで伴奏!なんという幸運でしょう。
音響はまあまあです。
天井が木ではなく、屋根の瓦ののせられているレンガなので、
音がわああんとなってしまいます。
少しマイクを付けてもらうことになりそうです。
下見に集まったのは、音声の担当のジョヴァンニさんと、
作曲家のダニエーレさんをのぞいて、全員女性。
ボローニャは女性がとてもいい仕事をしています。

常盤台天祖神社の神田流神明囃子の方たちのコンサート会場には
「生命のサンタ・マリア」と「死のサンタ・マリア」という
二つの教会(死の方は昔は病院つきでした)のちょうど境目の空間が
えらばれました。
お囃子を演ずるにはなんとも象徴的な場所です。
ボローニャのあの有名な柱廊(ポルティコ)つきの舞台です。
獅子舞で床にころがる場面があるということなのですが、
下が木ではなく、絨毯を敷いてもらえるとはいえ、
大理石なので、ちょっと痛そうです。

コンサート前日の練習場所もすごいです。
音楽の守護聖人、聖女チェチリアのオラトリオです。
音楽のかなでるように美しく、優雅なフレスコ画で
うめつくされている空間。

そうこう言っているうちに
なんだかまたコンサート会場が変わりそうだというメールが・・・
美術アカデミー内の、円形劇場の形をした講堂が候補にあがりました。
こちらのほうが音響がいいらしく・・・。
日本から歌いに来る側としてはどちらかといえば
歴史的意味合いも含めてファルネーゼの聖堂のほうが
よさそうな感じがしますが、
音楽的な質を考えればそちらのほうがいいということなのでしょう。
ウーム。どうなることやら。

天正の少年使節のボローニャ訪問について書かれた
例の17世紀初頭の年代記を国立図書館で閲覧しようと思って
本日図書館に行ったのですが、保存状態が悪く、閲覧不可。
国立図書館で古い本を注文すると、よくそういうふうに言われます。
話によると、修復するためのお金も回って来ないのだそうです。
イタリアの唯一の資源は文化財、
もっとそれを大事にした方がいいと思うのですが・・・。