ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2010年 フィリップス社のアンティック・ラジオの修復 Restoration: Philips Radio 2511, Loudspeaker 2007

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この美しいオブジェはなんと、フィリップス社の1929年頃の古いラジオ。
ラジオはPhilips Type 2511, 155 V、ラウドスピーカーは1927年、Type 2007 ,
bakeliteベークライト=フェノール樹脂製。
いろいろな模様があったようです。
http://pagesperso-orange.fr/jlf/ephilips.htm
翁のラジオ・コレクションの一品です。
(修復の行程説明イタリア語版
http://ilsegnolabrestauro.blogspot.com/2010/03/restauro-dellaltoparlante-di-una-radio.html

ラジオ本体は10キロ以上で現在、知人の作業場で修理中。
樹脂でできたスピーカー部分が大きく欠けていて紛失。
(中央の部分も一カ所欠けていたのですが、それは強力接着剤で
強引にくっつけてしまいました。)
紛失した部分を一体どうやって再現したらよいか、
いろいろ議論したすえ、額の修復に使用される方法でとりあえず
やってみることにしました。
つまり、プラスティック製粘土で型をとり、それを手がかりに
木製の粉でできたモールディングクレーでだいたいの形をつくり、
乾いたらそれをプラスティック用の接着剤てくっつけ、
紙ヤスリで本体よりも少し低めに削る。
シェラックでコーテォングをした後、ウサギちゃんの糊+石膏で 下地を作る。
更に紙ヤスリで削り、表面をできるだけなめらかにする。
後はアクリル絵の具で模様を再現、仕上げはシェラック磨き。
途中で挫折感に苛まれ、何度かやりなおそうかと思いましたが、
仲間のピーナに励まされて続けました。
素材が木紛なので、バークライト樹脂の軽い感じが出ています。
他にも再現方法はいろいろあったのだと思います。
音響にどう影響するかはしかし、まったく不明です。
そこまでやはり考えるべきだったのだろうか・・・。(悲鳴)
わはは。