ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2007年 5月8日 オラトリオ 仕上げ作業

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オラトリオに戻ってみると、作業はだいぶ進行していた。
枠組みの補強の枠が取り付けられ、
破損部分の差し替え作業も終わりに近づいている。
今朝は電動のこぎりの刃がプツンと切れてしまうという事件が。
自動的に停止するので幸い使用者に大事はなかったが、
30分ぐらい謝り続けていた。
(彼女に責任はないのだが。金属疲労というやつか?)
そこでのこぎりやのみの奪い合いになるかと思ったのだが、
作業は平和的に進んだ。
道具が自前ではないのが問題なのかもしれない。
工房ののみをどんなに研いでも翌日にはもう歯がこぼれている。

仕上げにはストゥッコを使用せずに、
「木くそ」(と言うのだそうですね!「のみくそ」、もいいですね)
に膠とお湯を混ぜて虫食いの穴を埋めていく。
そのあと、ヴァセリンオイルで全体を拭き、
硬いたわしのようなブラシで全体を磨く。
この段階で既に表面はいい感じになっている。
そのあと、木を染めるmordenteにアンモニアを混ぜ、
新しい木で差し替えた部分に色を付けていく。
最後に蜜蝋をぬり、全体を羊毛で磨く。

来週水曜には修復を完成させないといけないのだが
何とかなりそうな様子である。
オラトリオ会の現在の食堂のほうから
今日はペペローニのオーヴン焼きの香りが漂って来た。
そんな時間になると、我々も作業を終了させ、
それぞれ次の仕事に向かう。