ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2010年 7月 フィレンツェ人の聖ジョヴァンニ教会探検 Discesa nella cripta Falconieri

ボローニャ時代の建築家の友人がテヴェレ川岸の
San Giovanni dei Fiorentini 教会の地下聖堂で
インスタレーションを展示しているときいてさっそく行ってみた。
地下墓地、クリプタへの降り口を探してみたのだが
通常の場所にはなく、管理人の人をつかまえてきいてみた。
「メインの祭壇の下を降りていくんですよ」と言われ、
ええ?こんなところを歩いてもいいのだろうかと疑問に思いつつ、
「キリストの洗礼」の真っ白な群像を見上げつつ祭壇に近づいてみると・・・
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わわわ、ありました、たしかに「祭壇の下」地下に降りてゆく狭い階段が!!
まるで冥界くだりです。
(なるほどこの主祭壇後方の隠れた空間はバロック期の教会内での
スペクタクルに用いられたにちがいない)
この教会に葬られている(自殺なのですが)ボロミニのデザインしたこの一画。
スパイラルの階段、壁をくりぬく優雅なボロミニの楕円。
彼の「形」にじかに触れたフィリピン会のオラトリオでの修復体験以来、
彼の造り出した空間に出会うたびに感動してしまう。
とっても簡素なファルコニエーリ家のクリプタの空間。
しかし、異界的な、あの世的な、謎めいた雰囲気がある。
インスタレーションは空間の楕円と同じ形をした水盤に
レッドライトがちらしてあり、水面に触れると波動の生じるものだったのだが、
残念ながら、どこにスイッチがあるのか分からず、
作動しているところを楽しめることができなかった・・・。
(インタアクテシヴなインスタレーションはどうしても簡単に動かなかったり、
とくにイタリアのようにメンテの苦手な国だと
壊れていたりする場合が多く、
この分野にふみこんだ夫にはまた、考えさせられる展示であった)
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この教会にはペットもいっしょに入れます。
下の写真は例のバリヤーフリーの入り口のもの。
扉も自動ドアなのです。
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フィレンツェのシンボル、近代風にアレンジした百合マーク入りです。