ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2010年 9月 図書館は未来を救う?!

イタリアの新聞はわたしという読者に向かって
記事を書いているという感じがどうしてもしないので、
最近ではInternazionaleという、各国の興味深い記事を集め、
イタリア語に翻訳した雑誌だけを斜め読みしている。
その中で目についたのがスペインの『エル・パイス』の
メキシコの破綻に関する記事。
数多い青少年の「就職先」は犯罪組織。
「社会のネットワークを再生させるためには文化が必要。
メデリンとボゴタとでは数学者が市長として選出された。
Sergio Fajardo と Antanas Mockusは
図書館がバイオレンスを相手に戦っているのだということに注目した。
市民社会の組織の中に若者たちを呼び戻すという作業は
武器の購入よりもコストがかかり、時間を要するプロセスであるが
より崇高なものである。
メキシコは銃弾によっては救われない。
メキシコを救うのはメキシコの人々である。」

学校ではない地域の図書館。
具体的にそこでどんなことが行われていてどんなふうに
若者たちと関わっているのかは分からないが、
(メデリンでは建築として美しい図書館がいくつも
建てられているそうだが、どうかコンテンツも充実していることを祈る)
実生活とは別の空間に接することのできる場なのかもしれない。
駒形氏のボローニャの少年院でのワークショップ、2010年4月。
ある作品の形の美しさに心打たれ、
言葉を失ってしまった中国人の男の子。
カミソリの刃のような恐ろしさが
美に対する感覚の鋭さに変わって行けばどんなにすばらしいだろう。