ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

ツリー、立てました! Buon Natale da Roma

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あれれ、ツリーが毎年縮んゆくー。
今年、我が家の中国製のミニ・クリスマスツリーの箱を開けて、
息子もいっしょにツリーを立ててくれた息子の親友たちも、
「えっ?こんなに小さかったっけ?」とびっくり。
3人で、約5分以内で飾り付けが完了してしまいました。
本当はキリスト降誕の場面を表す人形セットpresepio も飾るのですが、
(うちの場合はツリーの根元に)
息子はこのほうがすっきりしている、と言ってツリーだけの飾り付けとなりました。

このプレゼピオの人形セットとはヨセフ、マリア、赤子イエスキリスト(赤ちゃんイエス
人形は24日12時に藁のかごの中に据えます)、
3博士、牛、ロバ、羊、羊飼い、3博士を導いた大きな星、天使たちなどからなるもので、
降誕の場であった馬小屋なども含まれます。
エスカレートすると、羊飼いたちのいる丘、ベツレヘムの街などを
入れる場合があります。
降誕の場面をイエスの生まれたクリスマスの時期に表現するという風習は
聖フランチェスコが1223年リエーティ近くのグレッチョにて始めたものであると言われています。
最初のプレゼピオはライヴ・ヴァージョン。
今でもこのライヴ版を街が一挙して演出するところもあります。
この時期、それぞれの教会に飾ってある、
その教会特有のプレゼピオを観に行くのは実に楽しいです。
たとえば機械仕掛けのものもあり、民衆が井戸から水を汲んでいたりとか、
日の出、夕暮れと照明効果を入れているものなどがあります。

プレゼピオの人形や様々なパーツを購入するならナポリのVia San Giorgio Armenoです。
今年妹夫婦といっしょにプレゼピオ工房の建ち並ぶこの道を歩き、
プレゼピオのパーツを集めている父の為に3博士の一人を購入。
身体は素焼きの彩色テラコッタ、洋服は布製です。
10センチ版、王様一体8ユーロなり。
ローマなど、他の街で買うと少し高くなります。
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パーツには人物たちの持ち物(籠類、野菜、卵、パン、家畜、井戸、バルコニー等)などもあり、
凝り始めればもうとまらなくなってしまいます。
同僚ははまってしまった族の一人で、プレゼプオ用に馬小屋を木で自分で作ったり、
街のミニチュア版を建設したりして、居間が半分、プレゼピオで埋まってしまいました。
姑は毎年山に行くと、机の上に飾るプレゼピオ用の苔を採集します。
苔のかぶさった岡の上に、羊や羊飼いたちを飾ります。

これはナポリ郊外のカゼルタの王宮でみた、巨大なエスカレート・ヴァージョン。
(ナポリで生産されるプレゼピオは世界中に有名で、
例えばプレゼピオ用の人形を作る職人である、いとこのデボラの旦那さんの妹は
世界中から注文を受けるのだそうです。)
王宮にでも住んでいなければ、これは家に置けないですね。
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赤子イエスを礼拝しに東方からやてきた3博士のうち、
一人はヨーロッパ系の白人の王様、一人はアラブ人、もう一人は黒人であったと言われています。
前景にアフリカからやってきた王の一人が見えます。
ごちゃごちゃしていてマリア様とヨセフがほとんど見えません。
(馬の頭の上当たりにマリア様がちょっと見えます。)
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降誕の場面の裏側では、ベツレヘムの民がいつもの生活を営んでいます。
どの角度からのぞいてみても楽しめるようになっています。
日本風に言えば、例えば自分のひな壇を自分で作っていく感じでしょうか。

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この写真はカゼルタの近くのアヴェルサという街の市場で撮影したものです。
アヴェルサは昨年の今頃、夫の参加したバリヤーフリーを奨励するアート展の会場だった街です。
豪華ヴァージョン用の「舞台装置」を売っている屋台が実にたくさんならんでいました。