ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

ローマ北部、ブラッチャーノにて Gita a Bracciano

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みなさま明けましておめでとうございます!!
本年もどうかよろしくお願いいたします。

大晦日はローマの北にあるカルデラ湖、ブラッチャーノ湖まで遠出をしました。
イタリアで8番目に大きな湖だそうで、一番深いところは164メートル。
排水や水上の交通は夏期のフェリー以外は禁止されているので
水は透き通っていてきれいです。
波の音が静かでメロディカルです。
ぴりぴりかりかりのローマモードから、だんだん心が落ち着いてくるのが感じられます。

湖畔には新石器時代から人が住んでいたそうで、
湖の中に街の遺跡があるのだそうです。
湖を臨む丘の上のブラッチャーノの街はエトルリア時代にさかのぼります。
剛健なお城は1450年頃のもの。攻めにくそうな頑丈な作りです。

湖といえば、昨年のサンレモ音楽祭で結局優勝したヴァレリオ・スカーヌの歌の一節が浮かびます。
「どこでも、どの湖でもin ogni luogo in ogni lago」あなたと愛し合い・・・
http://www.youtube.com/watch?v=9PRT5NSpPCA
スカーヌの優勝は電話、携帯による投票で決まったのですが、
こちらの投票結果、実のあやしく、後ろ盾のおかげで優勝したと言われています。
Elio e le storie teseという風刺が得意なバンドにこの歌(特に湖のくだり)がとりあげられ、
音楽祭での不正行為を訴えるパロディー版が話題になりました。
http://www.youtube.com/watch?v=8TxZZAR_jPA
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立派な白鳥たち。渡り鳥ではなく、90年代から繁殖しているCigno realeだそうです。

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湖畔から臨んだお城です。
17世紀からオデスカルキ家のものとなり、現在でもオデスカルキ城と呼ばれています。
オデスカルキ家は北イタリア、コモ湖湖畔のコモの出身。
インノケンティウス11世という法王を出した後、ローマに進出した貴族の家系です。
ローマのビブリというカッフェ付きの書店で、
ケーキの作り方はオデスカルキ公爵夫人に教わったのよ、と
そこで働く南米出身の菓子職人に聞いたのですが、今でもその人がケーキを作っているのだろうか。
(最近、そこでケーキを食べていないのですが、信じられないほど美味しかったのを
覚えています。)
そうそう、このお城はトム・クルーズの3度目の結婚式の行われたところです。
お城は展覧会、イヴェント、様々なセレモニー用に借りる事ができます。
城内は博物館にもなっていて、誰でも見学できます。
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お城の入り口の隣はワインセラー付きのレストランになっています。
実はこのレストランに行きたくてブラッチャーノを目指したのでした。
Vino e Camino ワインと暖炉、という名前のかわいい居酒屋風のレストラン、
スローフードのガイドに載っていました。
      Vino e Camino
      piazza Mazzini 11, Bracciano (RM)
チーズマークがついていただけあって、モツァレラチーズの鮮度が抜群!!
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赤いレタス、ラディッキオ入りのポレンタにゴルゴんゾーラというブルーチーズが
かかっています。
写真を見ているだけであの香りが思い出されます。
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黒いキャベツという、トスカーナ原産のキャベツ入りのスープ。
お豆も入って、トスカーナのribollitaに似た冬のスープでした。
ワインはシチリアの「性格のはっきりした」Nero d'Avolaを勧められました。
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新鮮でコクのある羊のリコッタチーズでできたババロア。
オレンジの皮がのっかっていて、そのうえに蜂蜜とろり。
シチリアのカッサータを彷彿とさせます。
銀製のスプーン、全部形が違って楽しいです。
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レストランはあっという間にいっぱいになりました。
(化け猫の浮かんでいるレストラン内のスケッチ。
居酒屋などで食べると敷いてくれるざらざらしたオード色の紙、
つい落書きしたくなります。)
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丘の上にある街のテラスから湖を臨む。
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プレゼピオに出て来るようなかわいい街です。
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2011年もおいしい年でありますように。