ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

イタリア小都市巡り ガルダ湖湖畔にて Buon anno dal Lago di Garda, Benaco

ガルダ湖はヴェネト州とロンバルディア州を2分する大きな湖。
ダンテの『神曲』地獄篇の第22歌にもガルダ湖の南に位置するマントヴァ出身の
ヴェルギリウスにより、旧ラテン語名Benacoの名で歌われている。
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「地上のかの美しきイタリアの湖
チロルの北に在りしドイツを閉じ込めるアルプスのふもとに横たわり、
その名をベナコと言う。」
Suso in Italia bella giace un laco,
a pie' de l’Alpe che serra Lamagna
sovra Tiralli, c’ha nome Benaco.

Above us in Italy the beautiful lies a lake
at the foot of the Alps that closes in Germany
north of Tyrol, it's name is Benaco.

夏になるとドイツ人人口の方が多いくらい、人気のある観光地だ。
ドイツ人にとっては一番近い「海」の代用なのでしょう。

2夏ほどまえ、夫と1週間かけてガルダ湖を一周した。
Malcesine, Riva di Garda, Limone, Descenzano...
北上するにつれ、幅が狭くなり、山がどんどん切立って行く。
南端からはミンチョという川が流れ出し、マントヴァを経てポー川へ。
北端にはサルカ川が流れ込む。
リモーネでは昔、レモンが栽培されていた。
現在、少し栽培が再開しているが、昔ほどではない。
街の名はしかし、レモンとはあまり関係なく、ラテン語のlimen,国境、
境界、という言葉が語源らしい。
ガルダ湖湖畔のリモーネの住人はコレステロールから心臓や血管を守る
特別なタンパク質を持っているため、長寿であることて有名だ。
家系図らを調べて行くと、このタンパク質は18世紀終わりごろに
この街に根づいたらしいということが分かっているので、
長寿と湖畔の気候とはあまり関連がないらしいのだが
いずれにしろ、この美しい湖を訪れるたびに幸せな気持ちになり、
命がのびるような気がしてくるのである。

1月2日は義妹夫婦と姪っ子のキアーラとともに湖畔のLaziseラツィーゼ
(夫の故郷、ヴェローナから約25キロ)を訪れた。
神聖ローマ帝国時代には自治を許された自由都市。
近世に入ってからもヴェネツィア共和国に屈したヴェローナとは異なり、
最後まで抵抗をした街であった。
現在残っている城壁は15世紀、ヴェローナのスカラ家の支配下にあったときに
建設されたもの。
街全体を取り巻き、中世らしい雰囲気が今でも残っている。
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小さな港もきれいに整備され、湖畔の散歩道は次の街まで続いているのではないかと
思われるほど長い。
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キアーラは2歳7ヶ月。とっても我の強い、しっかりした女の子だ。
私にはそれほどなついてはくれないのだが、
なぜか就寝前の時間になるとこちらによってきて
それが読書であれなんであれ、作業に参加したがり、
二人でエスカレートするのが常なのだ!!
難しいことが大好きで、不可解であればあるほど、本人は惹かれるらしい。
でも今度会うときはまた違うんだろうなあ。
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さて、最後にいよいよイデルマおばあちゃんの自家製プレゼピオの登場。
じゃじゃーん!
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亡きおじいちゃんの机の上一面のプレゼピオ!
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羊飼いの上にも降り積もる雪、これは何と…小麦粉!!!