ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2011年ボローニャ国際絵本原画展審査終了! Congratulations, Selected Artists!

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ボローニャの守護聖人に捧げられた教会、
聖ペトロニオ
なつかしい聖歌隊の先生、亡くなってしまいました。
ファサード修復中。今見えるのはファサードの写真を実物大に印刷した保護幕です。

今年の審査員の方々もすばらしい人たちでした。
http://www.bookfair.bolognafiere.it/en/mostraillustratori/giuria
スロヴァキア、ブラティスラヴァ美術アカデミーのルボスラヴ・パロ先生、
絵本作家でもあります。
子どもの視点をとても大切にしています。
そして作品には隠れた可能性というものに注目していました。
ベルギー、フランドル地方ヘントの美術大学でイラストレーション科を創設した
絵本作家のカール・クヌート先生。学生のことをとてもよく考えています。
学生には何よりもまず、「いいひと」になる努力をしなさい、と言っているそうです。
ボローニャ児童図書展の絵本に与えられるラガッツィ賞を何度か受賞した絵本を
出版するノルウェーの出版社、カペレン・ダムのエレナ・サイプさん。
ノルウェーでは児童図書の出版がとても盛んで、
イラストレータや絵本作家がとてもたくさんいるとのことでした。
カペレンは年間に何十冊ものニュータイトルを手がけるのだそうで、
エレンさんも年に20冊を担当しているのだということです。
あらゆるイラストレーションのスタイルを見るのにとても慣れていらして、
絵からにじみでてくる物語性というものに注目していました。
ノルウェーの絵本、私にはまったく知らない世界なので、
ぜひ3月のブックフェア中に注目してみたいと思いました。
フランスからは絵本批評家、児童文学研究者のソフィ-・ヴァン・デル・リンデンさん。
もう一人の審査員、イタリアでとってもおもしろい絵本を出している
トピピットーリ出版のパオロ・カントンさんと同じように、
出版されている絵本に関する知識が信じられないほど豊富で驚いてしまいました。
お二人がとても大切にしていたのは、5枚の統一性、5枚によってしっかり物語が
語られているかどうかという点で、なかなか感動的でした。
デジタルな新しい技法を使った作品は年々増えていますが、
それをショートカットとして使うのではなく、
筆のようにしっかり道具の一つとしてつかいこなさないと
説得力のないイラストになってしまう、など、
いろいろな欠点なども指摘されました。
そいういうなかで、「しっかり」描かれた作品というものが今回輝いていたかもしれません。

今回もまた、たくさんの刺激を受けてボローニャをお腹いっぱいに、
胸いっぱいに後にしました。
ありがとう、ボローニャ、
そしてイラストレータのみなさん、大きな感動をありがとう。


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殉教者聖プロークロの聖遺骸。祭壇下に安置されています。
骨を入れる容器には、塔の多いボローニャの街を象った金細工が施してあります。

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ボローニャ名物、トルテッリーニ。ボローニャ出身友人ののお母さんが作るような、
小型タイプです。

小さいのが本来の形なのだ、と言われています。
いやいや、

ボローニャで食するとどうしてこんなにおいしいのでしょう。
手作業で閉じてあるものほど値段が高くなります。
息子のお土産に購入したものは1キロ27ユーロなり。
皮が薄く、詰め物もほどよいお味で美味でした。