ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

記憶と音楽 ローマ音楽科中学、ローマ大学大講堂にてイタリア解放記念合同コンサート Memoria in Musica


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4月25日はイタリアの、ファシズム、ナチズムからの解放記念日。
息子の中学は他の音楽科のある公立の中学校とともに、
ローマ大学「ラ・サピエンツァ」の大講堂にて、合同コンサートを行った。

パルチザンの歌や、デ・アンドレの、レジスタンス運動を語った歌、
ロベルト・ベニーニのLa vita e' bella(1997年)という、
ユダヤ人一家の運命を描いた素敵な映画の、ピオヴァーニ作曲のテーマ音楽などを、
パルチザン運動をテーマとした劇や、
イタリアの解放を語ったドキュメンタリーの上映とまじえて演奏。
なかなかよいプログラムであった。
93歳の、最年長のもとパルチザン運動家のエネルギの爆発のような、
感動的なスピーチ、
息子の学校のオケの指揮者、マルコ先生のおじさんも
18歳で亡くなっパルチザン運動家であったという先生個人のお話などもあり、
こどもたちに、この歴史がまだとても近いものであることを
肌で感じさせる催しであった。
パルティジャーノの言葉:
「歴史をちゃんと勉強しなさい。
そうしないと分からないままでいる事がたくさんある。
歴史はまた、道具として用いてならん。」

デ・アンドレの『ピエロの戦争』より

Dormi sepolto in un campo di grano
non e'  la rosa non e' il tulipano
che ti fan veglia dall'ombra dei fossi
ma son mille papaveri rossi
おまえの墓は麦畑
暗き溝に葬られたおまえを見守るのは
ばらでもチューリップでもなく、
1000本の紅のけしのはな

lungo le sponde del mio torrente
voglio che scendano i lucci argentati
non piu' i cadaveri dei soldati
portati in braccio dalla corrente
ぼくの住む渓流の岸辺に沿って泳ぐのは
銀色のカワカマスであってほしい
流れに抱かれてやってくる
兵士たちの屍はもう見たくない
http://www.youtube.com/watch?v=V4dvw_tSsVQ

大講堂の璧画は、マリオ・シローニによる
「文芸と科学に囲まれるイタリア」、1935年。
ファシズム期の荘厳な作品。
今のイタリアはしかしどんどん教育、研究に対する予算を削減している。