イタリア小都市巡り テアーノのロンカ家にて
ロビーのお母さん、アンナ
暖炉の火が暖かいほかほかキッチン
ソーセージとこの土地のモッツァレッラ入りのラザーニャをめしあがれ!
暖炉の火が暖かいほかほかキッチン
ソーセージとこの土地のモッツァレッラ入りのラザーニャをめしあがれ!
大変ご無沙汰しております。
みなさまお元気でいらっしゃいますでしょうか。
先週の土曜日は、夫の参加する展覧会の搬入をしに
魔女伝説とトッローネ入りチョコで有名な街、ベネヴェントに行く予定だったのですが
美術館が土曜日しまっているということで
急遽、展覧会キュレーターである従姉妹の夫、ロビーの実家のあるテアーノまで
作品を運ぶことになりました。
ラツィオ州から南下してカンパーニャ州に入ってすぐの街、テアーノは
イタリア救国の英雄ガリバルディー率いる千人隊とサヴォイア家の軍隊が
合流した場所として知られています。
上はヴィットーリオ・エマヌエーレ王とガリバルディが会った瞬間を絵にしたもの。
1960年、イラストレータのヴァルテル・モリーノの作品。
コッリエーレ・デッラ・セーラ新聞の日曜版表紙。
イタリア統一にとって重要な瞬間でしした。
テアーノが古代史上、非常に重要な街だったと意識している人は少ないようです。
息子に聞いてもやはり、ガリバルディと王様の合流地点だ!と言います。
テアーノはローマに対し、最後まで抵抗したオシ族の拠点でした。
街には古代ローマ期の遺跡がたくさんあります。
競技場、二つの劇場、神殿や浴場などがあり、
工事をするとぼこぼこいろいろ出土するのだそうです。
(ロビーが子どものころに空き地で遊んでいた時に見つけた
壷のかけらだの、小型の祈祷用の彫刻などを入れたお宝の箱を見せてもらいました。)
しかし財政難でせっかく見つかった遺構を、調査後にまた土に埋めてしまわなければ
ならないことが多いのだそうです。
ロビーの実家でお昼をごちそうになれると聞いて
「やったああ!」と大喜びのわれわれ。
「でも、覚悟しとけよ。うちの両親に招かれるということは
お腹が爆発するぐらい、次から次へと料理が出てくるということだから。」と言われ、
朝ご飯は軽めにしておきました。
ロビーのお父さんのマリオはテアーノの街のキーパーソンの一人。
テアーノ近辺の芸術高校で教鞭をとった美術の先生兼画家です。
年金生活に入った現在でも大人、子ども向けに油絵や水彩の講座を開いています。
教区の合唱団でも大活躍のテノール。
テアーノの市民は音楽の素質のある人たちなのだそうです。
これを活かしてこれからも色々な企画を立てたい!とマリオは言っていました。
楽しみですね!!
こちらがテアーノの地元でも生産されているモッツァレッラ。
水牛のチーズです。
モッツァレッラはお豆腐と同じように新鮮でないといけません。
できたて、もしくはその日にうちに食べるのが一番なのだそうです。
できたては一日に3/4回届けられるのだそうです。
生まれてはじめてこんなにおいしいモッツァレッラをいただきました。
ローマで食べているものは、産地直送でもこれほどおいしくはありませんのです。
ロビーの妹さん,イヴァーナは実は
有名なプレゼピオ人形を制作する職人さん。
世界中から注文を受けるとのこと!!
こちらはマリアとヨセフ。
まだクリスマスではないので、赤子イエス人形は飾られていないのですね、
とコメントすると、
いや、実はクリスマスが近いのでナポリの展覧会に出品されてしまったとのこと。
(お母さんは自分のイエス様が売られてしまうのではないかと、とても心配。
売れてしまうと、いつまた作ってもらえることやら・・・)
人形のまとう洋服の絹はこの地方で生産されるきめ細かな特別なシルクでできています。
お父さんのマリオの作品です。
リュウマチで残念ながら手が自由に動かせなくなり、
もう作品は描いていないのだそうです。
なんということでしょう・・・。
マリオの作品のモチーフはテアーノの街中の風景、
テアーノの田園風景、海辺の風景などです。
詩情豊かなのびのにとした作品ばかり。
不景気にもかかわらず、マリオの絵は今でもよく売れるのだそうです。
私が一番気に入ったのはピアノのそばにかざられていた
プラタナスの秋。
テアーノの雪景色。
マリオとアンナの家のテラスから臨むテアーノの街。
標高180メートルほど。
街を観光したかったのですが、5時まで食事が続いていたので(!)結局暗くなってしまい、
行かれませんでした!!!
次回におあずけです。
博物館もすばらしいのだそうです。
テラスの璧画が回りの風景に溶け込みます。
街のふもとの野菜畑。
羊飼いが来ると、これまたできあって羊のチーズが手に入るのだそうです。
こちらはマリオの勝ち取ったトロフィーの数々!!
スポーツ大会ではなく、美術展で優勝した時のものなのだそうです!!
・・・次回はロビーの妹イヴァーナのプレゼピオ人形制作工房の記事を
書くことにします。