ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

座礁事故


クルーズ客船座礁事故は現代イタリアを象徴する出来事として解読されている。
座礁しているのはイタリアで、船長はイタリアを自分でだめにしているイタリア人の象徴。
このような人が船長になれるのだから、全体のシステムがどうしようもなく腐敗している様子が伺える。
隊長は無責任なイタリア人の多いなかで、まだまだ一般常識を備えたイタリア人の代表。
"Vada a bordo, cazzo!" (ばかたれ、船に戻れ!) という隊長叱責の言葉は今週の合い言葉だ。
イタリアの精神的荒廃度は毎朝、息子と私によって、
登校時に家の前に見つかる犬の糞の数で測られているとも言えよう。
こんなにも美しいローマの街を自分から自分の愛犬の糞で汚くするなんて。
・・・・・。
こうした毎日の状況の中で、子どもたちは皮肉でドライな視点をもって育っているような気がする。
どん底に落ちたところで、反面教師でこの次なる世代は少しは今の世代よりは
よくなるのだろうか。