ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

今年のボローニャあれこれその1中世美術館『手から手へ』展

イメージ 2

2012年ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア関連イベントとして
受け入れてもらうことに成功した
『手から手へ』展、なかなか評判でした。
会場はなんと、上の写真にも見られるボローニャ市立中世美術館の石碑館!!
すばらしい環境でした。

この企画はブラティスラヴァ在住の絵本作家降矢奈々さんと
アンデルセン賞候補にもなったスロヴァキアのすばらしいイラストレーター、
ペテル・ウフナールさんによるもの。
ブラティスラヴァ国際絵本原画展を主催しているBIBIANA「子どもの家」がバックアップ。
2011年3月11日を境にイラストレータたちがどんなことを考え、
どんなことを感じるようになったかを2枚のイラストレーションにて表現した展覧会です。
アートには一体こんなとき、どんな役割を持つことができるのか。
わたしたちにはどんなことができるのだろう。
よりよい未来を考えるために
何を表現してゆけばいいのだろう。
どんなことを伝えたらいいのだろう。
一つの叫びのような展覧会です。

参加したアーティストは日本の絵本作家の方たちが中心ですが、
スロヴァキア、イタリア、ベルギー、アメリカ、オランダからも参加。
絵に対し、購入希望を申し出ることができる形式の展覧会で、
売り上げはすべて福島の子どもたちをサポートする団体に贈られる予定です。
ボローニャとブラティスラヴァの後、ワルシャワ、日本などでも展示予定。

展示作業,会期中の受付には日本から早川純子さん、プラハから出久根育さんも
手伝いにいらっしゃいました。
ブックフェア期間中には業界関係の人たちのみならず、
街の人もたくさん見に来てくれました。
作品購入希望者も思ったよりたくさん!
この企画そのものに街の人たち、ブックフェア関係者は大変興味を持ち、
力のこもったすばらしい作品たちは人々の心を動かすものでした。

絵を通じて語る、すばらしいことです。


イメージ 4

石碑館への続く廊下にもポスターを飾ってもらいました。

イメージ 1

展示準備中!
作品はブラティスラヴァに集められ、BIBIANAの額に額装され、
ブックフェアの始まる前の土曜日に
降矢さんたちの車でボローニャに運ばれました。
降矢さん、ウフナールさん、すばらしいです。
奈々さんの勇気に本当にたくさんのことを教えてもらっています。

イメージ 3

ちょっと照明が暗いのですが
雰囲気がよく出ていました。
ヴォランティアの監視の係の人たちと仲良くなりました。
受付でお手伝いをしている時に、ボローニャ学生時代の友人にもばったり。
みんな、福島の子どもたちのことをとてもとても心配していました。

作品は以下の『手』展のホームページで参照することができます。

http://www.zrukydoruky.sk/ja/galeria.html


会期終了後の日曜日に美術館の中庭は中世、ルネッサンス時代にタイムスリップ!
中世、ルネッサンス舞踊の講座の学期末発表会がありました。
みんな当時の貴人たちをとても上手に演出していて
うっとりです。

イメージ 5

目線に注目!

イメージ 6

ドレスのひだを上手にあやつります。

イメージ 7

特に男性の踊り手たちが上手でした。

イメージ 8

イメージ 9

女性4人の優雅な群舞。
当時の絵の人物たちが動き出したようでした。