ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

モンテ・マリオでのオリエンテーリング



ヴァティカン市国方面を見下ろす
ローマのテヴェレ川沿いの丘、
海抜138メートルのモンテ・マリオの自然公園にて
オリエンテーリング第2弾があり、
前回のパラティーノの丘でのものが
あまりにもおもしろかったので
忙しいにもかかわらず付き添い参加を申し出ました。

モンテ・マリオはプロイセン王国がすすめていた
中央ヨーロッパの子午線プロジェクトに
協力していた天文学者、ジェスイット会士アンジェロ・セッキによって
1870年に子午線が通る地点を示すポイントとして選ばれました。
この地点はイタリアの地図作成の基準となったということです。
(基準点にはレンガの塔が建てられました。
防衛庁の敷地内なので一般の人には見ることができません。
インタネットで見つけた写真を貼付けてしまいます。)

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海抜138メートルのモンテ・マリオには1878年に
ローマ・天文学・コペルニクス博物館が設立され、
続いて天文台、太陽観測の塔が建てられました。
この博物館は市民の署名活動により閉鎖を免れました。
現在見学は予約制。(たとおもいます。)
いつか行ってみたいものです。

Datum Latitude N Longitude E
Roma4041° 55' 25".51012° 27' 08".400
ED5041° 55' 31".48712° 27' 10".930
WGS8441° 55' 27".85112° 27' 07".658

ローマ市内にはこの子午線を示したマークが見られます。
セッキの生誕190年を祝うために
子午線の通るポイントに「セッキのメダル」という
黄色いマークが描かれました。
このプロクエクトもやはり
ベッリ中学校の特別講師、エビシャー先生によるものです。
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このマークが黄色いペンキでアスファルトに描かれています。(直径25センチほど)
聖ピエトロに続くViale Vaticanoにも一つあるそうです。

今回のオリエンテーリングは
自然公園の「隠された」ランタンを探し当てること。
2クラスがいくつかの班に別れて競争。

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ファシズム時代に防風林に適していると言われて
輸入されたユーカリの森の中を抜けて行くこどもたち。
大雪の影響でユーカリの木も倒れてしまったものが
たくさんありました。

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モンテ・マリオの丘かた臨む聖ピエトロのクーポラが
まぶしく輝いていました。
「あれ、うちが見えるぞ!」

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左の塔が太陽観測の塔。
右が博物館と天文台。

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いちじくの葉っぱに覆われていたオレンジ色のランタン、見つけた!
位置確認をし、写真撮影をします。
うしろで満足そうに笑っているのは天文学の先生。

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54番のランタン発見。
ユーカリの幹にはカップルの落書きが。
白いコピー用紙の告知。
「学校向けのゲーム活動開催中。
はずさないてください。
ありがとございます。」


ところで!
日時計の話題に戻りますと・・・

聖ピエトロ広場のオベリスクも実は巨大な日時計として活躍!

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ありました!
「昼夜平分時線」。
冬至の日にはこの白い円の真ん中を
オペリスクの先端がさすののでしょうか。

息子の学校の先生たちのおかげで
イタリアでいかに天文学、天文物理学が
歴史的にも盛んであったのかが再認識されます。