ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

ローマの高校生

息子は9月11日より正式に高校に入学。

校長は2年前に就任した新しい先生で、
創立以来の「伝統」であった学校占拠という違法行為をやめさせ、
先生たちに相談をした上での「自主管理」という方法での
学生運動の形への変更を生徒たちに勧め、
受け入れてもらうことに成功したやり手の校長先生です。

理数系、文科系ともに最初の2年間は週27時間。
土曜日も学校があります。

子供が登校しているかどうかチェックできるような
システムが学校のホームページにもあります。

服装は自由ですが、「ここはマミアーニ・ビーチ」ではありません、
ということで、ショートパンツ、タンクトップは禁止です。
「デコーロ」、つまり品格を保ちましょう、ということなのです。

先生たちはまあまあのようです。
息子が今のところ一番気に入っているのは理科の先生で、
学問をすることについての、基本的な知識について話し、
知識体系の概観からまず授業を始めているようです。
要するに一体何のために勉強をするのか、
まず意識をしてもらい、
発見することの楽しさについて語っているようです。

息子が入学初日にびっくりしたのはしかし、
授業中にトイレで上級生がタバコを吸っていたということです。
あまりに驚いてその日はトイレに入れなかったらしいです。
休み時間に校庭を見下ろすと、
たばこの煙でできた大きな雲が見えるそうです。

そして本日10月4日、息子はかなり悩んだ末、
ローマの高校の学生会議がオーガナイズした
学生デモに参加することを決心しました。
教育に対する更なる予算削減に反対するデモです。
しかし学校に登校しようとする生徒たちが学校に入るのを
阻止する過激なグループもあり、
息子はその反民主主義的な行為を見て
怒って電話をしてきました。

デモは各地区の高校の参加者たちがどんどん合流していく形で
中心街に向かって進み、
18の高校が全部集合するピラミッドを目指しました。
息子よりメッセージが今入ったところです。
「ピラミッド到着。デモは非常に平和的。これからみなと帰ります。」
若い彼らの思い、踏みにじられませんように。