ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

ローマ便り 11月19日

昨夜は舞台兼映画女優である友人
(『ニューシネマ・パラダイス』で映画デビューした
アントネッラ・アッティッリ!)の参加している
ローマをテーマにした演劇フェスティヴァル『首都ローマの肖像』に行ってみた。
劇場はトッレ・アルジェンティーナ広場に面したアルジェンティーナ劇場。
第一部は午後6時からで、友人ルチャーノとともに
8時20分開演の第2部(4作品)と第3部(3作品)を観劇した。
最初の作品は知り合いの女流作家によって書かれたものだった。
マリオリーナ・ヴェネーツアは『千年経ってもここにいる』という小説で知られている。
(日本語訳を出したいと思い、試訳をしてみたのだが
出版社がなかなか見つからない)
今回の劇作品は、ローマの遺跡の形に心を束縛されて精神的にどこか
おかしくなって行く女性の物語だった。
抽象的で頭でっかちな、多言症的な作品の多い中、
(わ、けっこうきつい評ですね・・・)
この作品が結局一番よかったかもしれない。
俳優のみなさんの演技はすばらしく、舞台装置もなかなかよいものだった。
きょうは二日目で、最近とても有名になった2人組
RICCI e FORTEの作品も上演される。
行かれないのがとても残念だ。

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こちらが『首都ローマの肖像』のポスター

本日は仕事のあと、息子の高校の父母会に初めて出席した。
息子のクラスは26人。そのうち、女の子は6人ぐらいしかいない。
理科系はどこの学校も女子が不足している。
昨年と比べ、クラスは集中力が低下し、
この2ヶ月で10段階で5以下をとった生徒が26人中18人もいたそうだ。
どの先生もとても不満足そうであった。
(息子も物理で5をとってしまい、かなりあせっている。)
ラテン語、ギリシャ語、数学の三つの科目に関しては
放課後の補習コースがあり、息子も数学のそれに参加している。
科学(化学と生物学)に関しても放課後の補習が行われる予定だったのだが、
昨年の学校占拠中に学校内の設備が壊され、
その修理で予算が減ってしまい、補習ができなくなってしまったということだ。

今年はいろいろなプロジェクトがあり、
スカイチャンネル主催の、高校生によるニュース番組制作活動
(英語などの外国語を使用したものも制作される予定だ)
もその中に含まれている。
スカイのスタジオに行ってゼロからの制作をするのだそうだ。
息子はこのプロジェクトへの参加を希望している。
ローマの遺跡見学も予定されており、
それぞれの班が一つの遺跡を担当し、
ガイドをすることになっている。
父母のなかには、プロジェクトに気をとられすぎて
勉学の邪魔になるのではないかと心配している人もいる。
が、どれをとっても生徒たちの視野を広げるのに
役立つものばかりのように私には思えるのである。