秘密のサビーナ
あっという間に時間が経ってしまいました。
皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか。
久しぶりにブログを更新いたします。
本当に忙しい一年でした。
それはとこ?と聞いた。
確かに聞いたこともない街の名前であった。
それはサビーナ地方という、ローマ北西の地域、リエーティ県に当たる地域の
小さな中世の街。
ローマに越した当時、パロンバーラ・サビーナに立寄り、
あまり印象がよくなったので、サビーナ地方をなんなく
頭から消してしまって全く期待していなかったのだが、
ポッジョ・ミルテートを行き過ぎたあたりから
なんと、トスカーナ地方のような、美しいオリーヴ畑に飾られた
なだらなか波のような丘が現れ、
かわいらしい農家はきれいに手入れされていて
住宅の庭先には花が咲き乱れ、
県道の脇にはラツィア州に特有のゴミがほとんど落ちていない。
まるでおとぎの国の中にいきなり入ってしまったようである。
やがて谷間の丘にちょこんとのっかったかわいらしい中世の街が見えた。
街は未だに中世の城壁に囲まれ、
のぼり坂になった小さな路なりに家々が並び、
車の入る余地もない。
ほとんどの建物がきれいに修復されており、
家に帰って調べたところ、この地方の中世の街には最近
多くのイギリス人やその他の外国人、また北イタリアの人たちが
移住しているということが分かった。
話によると、サビーナの人たちはあまり自分たちの地方を
積極的にプロモートしたがらないということだ。
その美しさを保持したいためなのかもしれない。
カスペーリア近辺には他にも美しい中世の街がたくさん隠れていた。
その中でとても気に入ったのがロッカンティーカという山の上の小さな街。
カスペーリアのように、修復は進んでいないので、
わびさびた感じがまだ残っている。
こちらの街も車は入れない。
街にはお年寄りが多く、
日曜日の日没の時間、おばあさんたちが
教会の中でロザリオを唱える声が聞こえた。
おじいさんはおばあさんが教会にいる間、
犬を散歩させていた。
小学校の大理石の看板が下ろされていた。
無線通信を発明したマルコーニにちなんだマルコーニ小学校。
子どもたちが減って、小学校も閉鎖になってしまったのだろう。
夕立の後の美しい黄金の日差し。
サビーナ探検はまだまだ続きそうである。