ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

レオ・レオニを追って その2 PENN FRUIT スーパーのロゴ 1954年頃

レオの1991年、ニューヨークのクーパー・ユニオン大学の
卒業式の演説を訳しているつもりが、またまた横道にそれてしまいました。

昨日は演説の翻訳の他に、ニューヨークでの調査の
写真資料を見るという作業を続けていたのですが、
ニューヨーク歴史協会博物館の、タイム・ライフ社の
アーカイヴの中にあったニューヨークタイムズ紙の記事で
1954年にレオが参加したMoMA美術館の「
アメリカのグラフィックデザイナー4人展」に関するものを読んでいて、
この記事を元にレオのアメリカでの活躍に関する文章をに
展覧会の説明を書いていました。

今朝起きて、MoMAのホームページから前に印刷した
この展覧会の資料を見ていたのですが、
(プレスリリースはありましたが、
展覧会出品作品のチェックリストは残念ながらありません)
レオの作品で展示されたものの中に
フィラデルフィアのペン・フルーツPENN FRUITという
当時最盛期にあったスーパーのためにデザインした
ロゴも含まれていました。
会場にはこのロゴに至るまでの制作過程を紹介したカラースライドが
展示されたようです。
(レオのお孫さんの家には、レオが残した膨大な量のスライドがありますが、
きっとちゃんと探せば、これも出てくるのだろうかと思われます)

レオはイタリアからアメリカに亡命してすぐに
父親のかつて働いていた会社を通じて、
フィラデルフィアで広告デザイナーとしての仕事を得、
10年の間にどんどん優秀なデザイナー、そしてアートディレクターとして
頭角を現して行くのですが、
フィラデルフィアの産業界にも知り合いがたくさんいて
その関係からこの仕事も依頼されたのでしょう。

はい!そこでまた横道にそれまして見つかったのが
以下のページです。
フィラデルフィアの新聞、Philadelphia Inquirer の
消費者チェックプックDelaware Valley Consumer Checkbook (
消費者が企業やサーヴィスを評価する雑誌)の1955年版の、
ペン・フルートのニュージャージー州オードホン店開店の広告です。
そこに、いかにもレオらしいレイアウトのページに、
ロゴが印刷されていました!!

イメージ 1

ペン・フルーツもニュージャージー進出を記念して
この新しいロゴを依頼したに違いありません。
写真の建物は、ヴィクター・グルエンのデザインした建物の
模型だということです。
このスーパーは1974年に残念ながら倒産してしまいます。
建物は現在、アクメという別のスーパーが入っているということです。

イメージ 2

写真の出典は以下の通りです。
スーパーの歴史に興味のある人がたくさんいるようです。
www.flickr.com/photos/42444189@N04

レオはニューヨーク・シティー大学のロゴも担当したそうなのですが、
これに関してはインタネットでは資料、
見つかりませんでした。
現在使用されているロゴの前のロゴだったに違いありません。