ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2008年 7月25日 バルセロナ! Barcelona!

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*Wrought-iron Dragon
*Sagrada Familia-Under Construction- (photo by Dan)
*Getting Dizzy on the Pedrera Rooftops
*See the Sagrada Familia in the Distance?
*Spiral Passageway and the Sagrada Familia-like Tree
*Like Magic

The Gaudian Bing Bang continues here in Barcelona
where there are firework sparks of creativity crackling in the new hotels,restaurants, museums...
lots of great ideas in design on a large scale!
The Science Museum, Cosmo Caixa has a solid concept at its base,
you can also feel that the people who created it
really enjoyed building the whole structure!
It is incredible that the people here continue to
accept to realize these crazy ideas.
All at once the Rome we left behind seemed very very old to our dazzled eyes...


しばらくローマの日常を離れての5泊6日のバルセロナ旅行。
ちょうど義弟一家のバルセロナ移住と重なり、
「サリア」という観光ではなかなか行かれない
かわいい地区もちょっとのぞくことができ、盛りだくさんの滞在となった。
小さないとこのマヌはカタルーニア人のヴァイタリティーと
陽気さにすっかり引きずられ、とても明るい子どもに変身しつつある。

バルセロナはとにかくエネルギーと創造力にはじけていた。
中心街の新しいホテルやレストランはどれもデザインが斬新で
どっちを向いて歩いていいのか分からないほど。
ずっと見たかったガウディの建築には感激。
バルセロナの中心街の古いアパートは階段がとてもせまく、
(エレヴェーターの取り付けようもないほどの狭さ!)
家の中もとても暗い。
子供部屋までもが筒型の煙突のように狭苦しい吹き抜けに面していたり、
窓のない部屋だったりするらしい。
そんな家作りの伝統からの解放を目指したガウディのCasa Mila (La Pedrera)は
広くとってある吹き抜けが二つあり、台所や裁縫をする部屋、廊下にも光が随時
差し込むように設計されていた。
(唯一窓のない部屋は女中さんのお部屋。)

Sagrada Familia教会はまだまだ建設中、
残念ながら日曜日に行ったので職人さんたちの作業を見ることはできなかったが
ゴシック期のカテドラルもこんなふうに作ったんだろうなあと想像ができる。
(できたところまでの堂内全体が作業場で、祈祷の場所はまだまだとても狭い。)
巨大な花のたくさん生える森がどんどん光に向かってのびて行く。
バルセロナの時間は過去からずっと止まらないで続いている。
それに比べ、凝結した冬眠状態のようなイタリア・・・

息子の要望で行くことになった、博物館用の賞も受賞している
自然科学博物館 「コスモ・カイシャ」 は傑作だった。
http://obrasocial.lacaixa.es/centros/cosmocaixabcn_es.html
バルセロナの銀行のファウンデーションの経営。
とてもきれいな螺旋をどんどん下に向かって降りて行き、
地球の歴史を遡る。
螺旋の一角にアマゾンの大木がつり下げられていて
どんどん根っこに向かっていくので感覚的にもう、「さかのぼる」という
概念が小さなこどもにも伝わる。
生きとし生けるものには共通したDNAコードがある。
それなのに多様な種がこんなにたくさんある・・・
人間は植物界に対しても、動物界に対してもその美しいdiversityの破壊を続けている。
今までに消えてしまった種の一覧があったが、
その数の大きさに唖然としてしまう・・・
(その中には人間の「種」も含まれる)
だからといってどうだという「答え」はどこにも書かれていない。
その多様性の美を語るインスタレーションのような展示がなされているだけだ。
それからニュートン等によって発見されたさまざまな法則。
その法則をいくつか体験したのちに「偶然性」、「カオス」のセクションに至る。
フーコーの時計は地球の自転を教えてくれる。
そして・・・アマゾンの熱帯雨林の再現された一角は
水族館と温室をワンセットに融合させたもの。
子どもにも大人にも自然の偉大さがダイレクトに伝わる。
(それに比べ、ローマの子ども博物館は
大人の社会の疑似体験をするための場でしかない・・・)

しっかりとしたコンセプトをベースに作られたこの博物館、
どれだけの量の、ぢれだけの期間にわたる調査が必要だったのだろうか。
知ることの喜び。
そして作ることの喜び・・・

マヌが先週から住み始めた地区には子どものためのアートのワークショップがあり、
http://www.escolatrac.com/web/portal/index.aspx
人見知りのひどかった彼女も造形のコースに通い始めた。
「じゃあね、わたしこれからいいもの作るのよ」と言いながら
自分でアトリエに入っていったマヌ。
これからバルセロナに育てられる彼女は
どんな大人になって行くのだろう。