ローマ・デッサン帳

ローマでの生活、見たことや感じたこと、絵本と美術関係の仕事について綴ります。

2008年 9月18日 絵本雑考2

ムナーリの『読めない本』のシリーズ。
今となっては文字のないor文字を最小限におさえた、
色や形の「展開」を楽しむ絵本は
子どもの絵本の世界にも受け入れられているが
(カーターのあのめっちゃ楽しい抽象的な飛び出す絵本は
イタリアでもFranco Paniniと言う大手により
出版されている)
ムナーリのこのシリーズは実は
文字優位の世界に大きな波紋を引き起こすために
投げ入れられた小石。
(前にも書いたのだが
この『読めない本』での作業は
『暗い夜に』にて子どものための絵本の形をとる。)

文章はあくまで文章、
絵とはまったく別の世界、
文字に添えられるコメント。
(しかもイラストは文字に対し、
忠実でなければらなぬ。)
字を書く人、
絵を描く人。
同一であるケースは非常に珍しかった。
文字と絵の間の境界を打ち破るのに貢献したのは
20世紀初頭の児童雑誌で
コマ割りされたstriscette(comic strip)を
描き始めたイラストレータたちだ。
ルビーニは自分でイラストの下に
詩行を入れて行く。

ルビーニによるイラスト入りの本は
20世紀初頭の挿絵入り絵本の中では
一番高価なのだそうだ。
昨日も,自分の手元にも一冊ほしいなあと思って
古書店に赴いたら
初版本は200ユーロ以上しますよ,と言われた。



写真はそのうち載せます、
ヴェローナにて大理石の床にカメラを落としてしまいました
息子でございます。
液晶画面を近くのパナソニック修理専門店で
直してもらっています。